第2話

コウヘイの部屋。



「ポッキーなんて珍しいね。はいどーぞ」


コウヘイにコーラとポテチ(のり塩)とポッキーを渡す。


「うんありがと。間違えた」


「え、何と?」


「プリッツ。トマトの」


「間違える?そこ」


「…食べていいよ、ポッキー」


「ありがと」


ちょっとムッとしてるコウヘイの隣でポッキーを食べる私。



ポリポリポリポリ…

ポリポリポリポリ…

ポリポリポリポリ…



「ねえ、ちょー速く食べるから見てて!」



ポリポリポリポリポリポリ!!



「……」


「速くない?すごくな~い?」


「わあーはやーいすごーい」


ものすごく興味の無さそうなコウヘイの顔。



「コウヘイも食べる?美味しいよポッキー」


「うん、いらない。チョコ好きじゃない」


「うん、知ってる」



……。


久しぶりに食べたポッキーはとてもおいしいけれど、ひとりで食べててなんだかつまんない。



ポリポリポリポリ…

ポリポリポリポリ…

ポリポリポリポリ…



ええーい!こうなりゃ1箱全部ひとりで食べてやる。ヤケポッキーだ!




「みーちゃん」


「ん?」


「ポッキー美味しい?」


「美味しいよ。ちょー美味しい」


「…1本ちょうだい」



私があまりにも美味しそうに食べるからコウヘイも食べたくなったのかな。



「はい、どーぞ」



私は小指を立ててとびっきりのスマイルでポッキー1本をコウヘイに渡す。



「……」



私が持つポッキーを不満そうに見つめるコウヘイ。



皆に愛される国民的お菓子をそんな目で見ないで!

ポッキーは何も悪くない!かわいそうなポッキー!



「美味しいから食べてみなさいって」



「…やっぱいいや」



コウヘイは食べなかった。



「あ!」



そんなコウヘイを見て私はいい事を思い付いてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る