星月夜の人類史

先程、スフィンクスの謎掛けにあった朝、昼、夜の表記だが我々人類は始まり(生誕や新生児)を朝とし、行動的時間(少年~青年期)を昼と捉え、晩年(老年期や死亡)を夜と例える。


日本人には不可思議に思えるかもしれないが、ユダヤ暦の新年は秋の中旬。

つまり、新年を迎えると其の先は夜が長い冬となるのである。10月の正月以降は、過越祭で悪霊を祓い11月の万聖節で身辺を清める。

12月の冬至祭には一日中火を焚きながら歌い踊り飲み食い家族や仲間と長い夜を過ごす。

日本より緯度の高い北欧とヨーロッパを始め、西アジアでも昼が数時間しかない冬至には仕事をしない風習が残っている。


人類は元来、夜の民。

月や星を祀り、白く覆われた雪原に万緑の樅木もみのきを飾り焚き火を囲む。

ダビデの星然り、キリスト誕生の星然り。

夜空を彩る星と宵闇を支配する月。

欧米で月はシルバームーン、つまり銀色。

ところが日本はどうだろう。

多くの日本人は月を黄金色と捉え黄色で描く。

黄色は西洋で太陽の色だ。

兎に角、日本人にとって太陽が赤く染められることが例に漏れず「特殊」であり、春と秋にしか見られない赤い月は殊更ことさら、「特別」なのである。

何故、赤い日の丸なのか。

日の丸は日の出か日没か、色彩から言えば決して明確ではない。

朝日も夕陽も同じ「朱」。


此が月ならば…

天照大神は二つの顔を持つ女神となる。

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