「莉ー乃ー！学祭さ、今年も衣装でしょ？」

学校へ行くと恵麻が何やら楽しそうに雑誌を私に見せつけてくる。

「…学祭と関係ある？それ。」

どこからどう見ても恵麻が毎月買ってるファッション雑誌なんだけど。

「もー、これ見てってば。」

指さす所には、カリスマモデルと言われている女の子が笑顔でこちらを見ている。

「いつ見ても可愛いよねー。」

「いや、そうじゃなくて。これの衣装！アリス！」

そこまで言われてようやくピンときた。

「あぁ！アリスの衣装ね！」

一瞬呆れ顔を見せた後に、再び楽しそうに笑うと、

「私、こういう感じの衣装が良い！」

だからお願いね。

と、私にその雑誌を預けるように手渡した。

２週間後に迫った学校祭。

夏休み前の一大イベントだ。

うちの学校では毎年、クラスごとにテーマにそった仮装をして街を練り歩き、最後には大きな公園でそれぞれがダンスをしたり寸劇をしたりとパフォーマンスを披露する。

うちのクラスのテーマは、不思議の国のアリスに決まった。

その衣装を作る係に私も混ざっているのだけれど…

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