第7話
確かにガキですよ。
子供ですよ。
だって17歳だもん。
でも…
「人のことばっかり聞いて、自分のこと話さないあなたに言われたくないです。」
見た感じ、どう見ても大人の男性なのだけれど、でも…あまりにも非常識というか、性悪?
「へぇ、口は達者だねー。九条夏希、27歳。君よりずっと大人だよ。」
そして、急に立ち上がったかと思えば、
「なんでこうなったかは置いておくとして。とにかく、こうなったもんは仕方ない。お互いに干渉は一切しないこと。ちなみに最初の約束通り、俺は3ヶ月経ったらここを出る。」
余計なことは話したくないとでも言いたいのだろうか。
早口に、そしてイライラした口調でそれだけ言うと、そのまま自分の部屋へと消えて行った。
何、今の…
意味がわからない。
どうして私がこんな思いしなきゃいけないの…?
約束通り3ヶ月?
そんなのも聞いてないし知らない。
3ヶ月と言わず、いっそもう出てくれたって構わないのに。
もう…
どうなってるの?
契約したのは父。
聞いてたこととまるで違いすぎるこの状況。
私はこれから3ヶ月、毎日あの男の人と暮らさなきゃいけないってこと?
考えられない。
耐えられない。
どこにぶつけたら良いかわからないこのイライラも、経験したことのない大人の男性からの冷たい視線と言葉に悲しくなるこの気持ちも…
すでに心が折れそう。
お父さん…
これは言うことを聞かなかった罰なのかな…
まだ飛行機の中であろう父の顔が何度も頭に浮かんでは、込み上げてくる涙を必死に堪えていた。
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