第2話 勇者トシタロウ?

ちゅんちゅん

小鳥がさえずりトシタロウは目を覚ました。



毎朝のように聞こえていた謎の声はもう聞こえなくなっていた。



トシタロウが勇者に認定されてから3年の月日がたち魔王は完全に復活し魔物も現れるようになっていた。




「勇者はまだ見つからんのか!?」

レンパパ王は部下たちに声を荒らげる。


そう、レンパパ王は数年前

神のお告げにより勇者が現れる事を聞いていた。

しかしその勇者が全く現れないのだ。




おふれも何回も出している。


「神のお告げを聞いた勇者へ。世界を救うあなたを全面的に協力したい。ぜひ城に来てほしい」



おふれを見てやってくる者は何人かいたが全員が勇者ではなかった。



勇者にしか身につける事ができない

伝説の指輪。

 

勇者が指輪をはめると指輪が光り輝き聖なる力を手に入れるとされている。

しかし勇者以外の者が身につけると聖なる力に耐え切れず高熱をだし寝込んでしまう。 


おふれを出した当初は勇者だと名乗り出る者も多くいたが最近ではいなくなった。





「はよ勇者見つかってほしいっすわ」 

トシタロウは婚活パーティーでそう語っている。

女性の方もまさか目の前にいる男が勇者だとは夢にも思わないだろう。


トシタロウは週1ペースで婚活パーティーに参加しているが、参加してもすでに全員顔見知りという事に本人は気付いていなかった。





ある日の事。

「レンパパ王。気になる事を小耳にはさみまして。」


『夢の中で勇者だと言われた。と語る人がいる。』

『婚活パーティーに参加した女性はみんな聞いているという噂が入ってきました。』


そう語るのはジナイダ大臣



『女性の気をひきたいアホがほら吹いてるだけやろ。』


誰もがそう思いながらレンパパ王や部下達がジナイダ大臣の話を聞いている。


「私もそう思うのですが我が城が主催する婚活パーティーに悪影響がでるかもしれません。

注意する意味でも調べておいた方がいいのでは?」


ジナイダ大臣の必死の説得に応じレンパパ王は仕方なしにトシタロウを呼び出す事にし部下をトシタロウが泊まる宿屋に向かわせた。






「いや、僕そういうのええっすわ

僕勇者じゃないし熱出すだけなんで、もうすぐ婚活パーティーあるし熱出したら大変なんで」



トシタロウはそう言ってレンパパ王の呼び出しを断った。




部下からの報告をうけこの男が勇者であるはずがないとレンパパ王とジナイダ大臣は判断した。






そこから数ヶ月がたったある日の事。



「なんで、婚活パーティー廃止なんですか?」


トシタロウが鬼の形相で城にやってきたのだ。




城としても収入源の一つとしてやっていたが魔物が増えてしまい女性が集まらなくなっていた。


昔は色々な街から女性も来ていたが今はレンパパ王が治めるオノシティ内でしか人が集まらないのだ。


そのオノシティ内の女性も結婚相手が決まっていき女性の参加者はついに0人となってしまい今回婚活パーティーの中止が発表されたのだ。




「婚活パーティーが開かれないならこんな所に住む理由はないっすわ。」



そう言い残し

トシタロウは地元ニシワキシティに足を向ける事となった。

























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