自称カミサマを拾った話
@Hinata0K
自称カミサマを拾った話
「あぁ、疲れた…」
フラフラとした足取りで帰路に着く。
今日も今日とて残業だった。
新卒の後輩のミスを上司である俺がカバーし上に連絡し頭を下げる。
後輩は素直で真面目な奴だがミスが多い。
すごく…すごく疲れた。
片手にコンビニで買ったカップラーメンや酒類が入った袋を反対の肩に通勤鞄を背負いながらぶつぶつと歩いていく。
二階建てのアパートに着くと階段を上り奥の角部屋へ向かう…と
「……は?」
部屋の前には髪の長い女性が俯いて座っていた。
髪の毛は腰のところまで伸びていて艶やかな金色だった。サラサラしていい匂いがしそうな…って
「何を考えているんだ俺は…」
とりあえず目の前にいる女性の肩を叩く。
「あの…大丈夫ですか?」
するとゆっくりと顔を上げる彼女。
驚いた。とても綺麗な顔をしている。
陶器のように白く綺麗な肌、吸い込むような黄緑色の瞳、睫毛は長く唇は薄いピンク。
美麗、端麗、美人。この言葉はまるで彼女の為に作られたのではないかと思うぐらいの美少女だった。
「…あの」
俺が彼女の姿に見とれていると、彼女が口を開いた。
「私を拾って下さい!」
そう言って袋を持っている俺の手に近づく。
柔らかい指が優しく俺の手を包み込んだ。
俺を見上げるようにして懇願する彼女。
俺は
「…はぁ!?」
それしか言えなかった。
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