新しい出会い

第6話

大学の入学式。


真新しいスーツに身を包んでいる私は、ただただ呆気に取られていた。



校門から式場まで続く長い行列。

その横には先輩達の部活やサークルの勧誘。


母と通ったその花道と呼べる賑やかな通りを、私は俯きながら歩いていく。


式場に着いた頃には、私の手には沢山のサークル勧誘のチラシが持たされていた。



(大学って凄いな…。)



人ごみがあまり得意ではない私はただそれだけのことで、かなり疲れていた。


式典も終わり、母と別れ、通知されたクラスへと移動する。


クラスはうるさいくらいにざわめいていて、すでに友達になっている人達も居た。


私は学籍番号の書いてある席に、一人そっと座った。




(友達か…。)



カナコの時のような思いをするくらいなら、友達なんていらない。


もちろん皆が皆そうじゃないということも分かってた。


ミユみたいな友達もいる。


だけど、人と深く関わることが怖い。


私は1番の親友を追い詰めた人間。


周囲は『ルイは悪くない』そう言う。



(本当に?私は悪くない?)



裏切られることも怖ければ、裏切ることも怖い。


きっとこんな私を知ったら離れていく。



だから、楽しい振りをすればいい。


友達なんて上辺でいい。



そうすれば、傷つかなくて済むから。

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