さようならの預かり所へ、ようこそ

弐月一録

さようならの預かり所


手に入ればいつか手放す時がくる。


巡り逢えばいつか別れる時がくる。


命あるものも、ないものも、『在った』からにはいつか終わりが来るとその人は言った。


「別れの悲しみに耐えきれない人はたくさんいます。だから僕はこの商いをしているんです。君は、どんな別れとさようならをしたいのでしょうか?」



そこはお別れの記憶を預ける場所。そこには時々、寂しがり屋な誰かがやって来る。

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