第3話 身元引受人シリウス
火山列島で一番大きなスバラシイ島。
そしてオリオリポス山が近づいた。
快晴だ。
俺たちは、
島の発着場へと降り立った。
礼装の俺たちは、
まず俺の身元引受人、父親役に会うため、
天文台へと向かった。
鞄には、
一泊くらいは出来る荷物と、
トレッキング用の着替えが入っていた。
天文台の寮は、閉鎖されていた。
今は南十字星に居るが、
アトラスは元々、ここの生徒なのだ。
ポーラの通うはずだった小学校も閉まっていた。
島は以前よりも、しんと静まり返っていた。
天文台に入ると、
すぐに受け付けの女性が、
関係者通路へと案内してくれた。
そして、応接室。
歴代の館長に写真やらが並ぶ、
小さな会議室のような部屋だ。
そのソファで二人、
出された豆茶を飲んで待っていた。
俺は、
今、
美しいキリスと居る。
そして俺の父親役に会う。
白くて美しいものが、
俺の全身から吹き出すようだった。
彼女を連れて、
今すぐ部屋を出てしまいたいくらいだ。
そして、
ドキーーーッとした。
俺の知らない、
宝飾品。
小指に白銀の指輪をしてる。
俺の顔は、
真っ青になったと思う。
―
彼女の、
ランキングの件が過った。
ゴースト化したときに、
見てしまった、
彼女の、
文様の部屋。
そして、
文様巡りのド変態に、
容赦なんてものはないんだ。
◆◆◆
知りたくもない、
彼女の経緯(あれやこれや)が、
勝手に降りてくるからだ。
◆◆◆
当たり前だ。
彼女は二十二、
今年で三だ。
俺だって、
相手をどうこう言える経歴でもない。
だからこそ、
心機一転の、銀髪小僧だ。
頭が痛い。
今の俺。
…ホントに、
失恋してないのか?
アトラスやポーラは笑ってたが、
俺は不安だ。
今回だって、
霊媒師の仕事の一貫だ。
新しいはずの礼服が、
汗びしょびしょになるのがわかった。
メッキの呪いをかけておけばよかった!!
い、
今からかけてくるか?!
◇
そんな、
泣きそうな気分のとき、
ドアが開き、
彼はやってきた。
そして、度肝を抜かれた。
◇
いや、
自然に見せようとしたのもわかる。
彼なりに。
白い服でもない。
グレーのスーツだ。
顔だって変えている。
しかし、
その、
なあ。
…
俺たちはきっと二人とも、
シマシマエナガンみたいな顔をしていたはずだ。
ないはずの、
ミラーボールが、見える。
何もかもが、
完璧に整いすぎてるのだ。
こんな人間は居ない。
思わず口を抑えてしまった。
キリスだってそうだ。
後ろから、
しずしずと、
秘書らしい大柄な女性がやってくる。
それは、
どうみたって、
シリウスとあの白竜だった。
(続)
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