人間嫌いの他人推理
高松 庚栄
第壱章『人間嫌いとライバル』
第1話
結論から言おう。
ぼくは決してこの物語の主人公ではないし、『主人公』に対する『ナニカ』でもない。
けれど、モブというワケでもないのは、たしか。
ただ、こうありたいと、ぼくは昔から思っているし、これからも同じなんだと軽く想像がつけられる。
これを知って、呆れるのなら呆れればいいし、見限るなら見限ればいい。カッコつけだと思うのもいいと思う。
ぼくは、君たちとは“他人”だから、その全てを認識して、認めよう。それでも足りないというのなら、時には謝罪もするし、時には証明もしてみよう。
ここで、英雄譚やファンタジー物語に憧れる君たちには、かなり失礼なことを告げるかもしれないが、それでもあえて言おう。
この世界には、たしかに『主人公』は存在しているし、ソレに対する『ナニカ』も存在し得るだろう。
ただし、君たちの大半は、そのどちらにもなれない。ぼくも同じだ。
だから、この作品は、どこまでもぼくの視点で語るし、ぼくの思考と行動を中心に進めていく。
時には、君たちを貶すかもしれないし、君たちの愚痴を溢すかもしれない。
けど、これだけは、君たちに認めてほしい。
どうか、『主人公』とか『ナニカ』になりたいからって、ぼくをそんなモノたちと同じに思わないで欲しいんだ。
それでも構わないのなら、どうかこのまま読み進めて頂こう。
これからの話は、ぼくが『主人公』の『ライバル』と導き出すことになる身勝手で俯瞰的な他人推理の物語だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます