聖剣に選ばれてしまったようだ、、我ゆえに!
街に「伝説の聖剣が眠る洞窟が見つかった」という噂が流れ、冒険者たちがこぞってその場所へ向かっていた。伝説によれば、この剣は「真の英雄にのみ呼応し、絶大なる力を授ける」ものだという。
黒刃はもちろんこの話を聞き、興味を抱く。彼の頭の中には「闇の覇者故に我はこれ以上の力はいらぬが、ふむ、行くしかないな、我ゆえに!」早速紅葉を連れて洞窟へ向かうことに。
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ふたりが洞窟へたどり着くと、既に多くの冒険者が挑戦を諦め、洞窟の入り口で立ち尽くしていた。中には怪物が潜み、トラップも仕掛けられているため、進むにはかなりの勇気が必要だったのだ。黒刃は「我が覇気を示してやろう!我について来い!」と意気込み、慎重に進もうとする紅葉の言葉を聞かずに洞窟の中を堂々と歩く。
紅葉は「本当に大丈夫なのかな…」と不安を抱きながらも、仕方なく彼の後についていく。
道中、「ふむ!この石は素晴らしい輝き!」等と言い下を向いたりする度、矢が頭上を通り過ぎたり、モンスターが出ても「この程度我が相手ではないな、我故に!」そのまま通り過ぎる。
でも私は見ていた。モンスターが余りに相手にされず、驚愕と、「え、?え、?」て感じの顔を。
洞窟の奥深く、黒刃はついに光り輝く聖剣を見つける。その聖剣は台座に刺さっており、「真の英雄が手にすることができる」と刻まれている。黒刃はまるで自分がその「真の英雄」であるかのように、聖剣に手をかけた。
「さあ、見るがいい、紅葉よ!この聖剣が我に応える時が来たのだ!」
だが、何度力を込めても聖剣は微動だにしない。周りで見ていた冒険者たちは、「流石のあの人も」と残念そうな顔で見つめる。だが彼は、「我が威光が強すぎて、我を理解できできないようだな、我ゆえに!」そんな事を言ったタイミングで、物凄い地響きが起こる。その揺れに、彼は耐えられず、物凄い勢いでで後ろに倒れる。その彼と一緒に聖剣が台座からスルリと抜けてしまったのだ。
周囲はどよめき、黒刃は当然のように剣を掲げ、決め台詞を放った。
「またやってしまったようだ我ゆえに!この聖剣に選ばれてしまったようだ、我こそが真の英雄なのだ!」
紅葉は「そんなわけない…」と半ば呆れつつも、黒刃が嬉しそうに聖剣を掲げる姿を見て、つい微笑んでしまう。
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しかし、その瞬間、「なんじ、聖剣を抜きし者よ、その意を我に示せ!」洞窟の奥から巨大な石像が現れ、その目が赤く光り始める。どうやら、この「聖剣」を持ち出そうとする者に試練を与える「守護者」が目覚めたのだった。
守護者は「選ばれし真の英雄のみが聖剣を持つ力事を許される」と低く呟き、黒刃に向かって鋭い視線を向ける。
「ふむ、我を試すとは、面白いやつだ!我が力の一端を、見せてやろう!」
黒刃は自信満々に守護者に向かって構えるが、すぐに圧倒され、剣を振るうたびに守護者の猛攻に追い詰められてしまう。紅葉は「無理しないで!」と叫びながら彼に助け舟を出し、二人で守護者に立ち向かうことに。
守護者との戦いが続く中、黒刃は徐々に体力を消耗し、劣勢に陥っていた。彼は「我が力に、ここまで耐えうるとは、、」と悔しそうに呟きつつも倒れそうになる。紅葉はその姿を見て、彼の力になりたいという強い思いから聖剣を握りしめた。
その瞬間、剣が激しく光を放ち、紅葉の手に真の力が宿った。聖剣の本当の力を引き出したのは、彼女が「誰かを守りたい」という純粋な思いだったのだ。
「黒刃くん、今は私に任せて…!」紅葉は聖剣を一振りし、守護者に立ち向かう。
聖剣の力を纏った紅葉の攻撃が守護者の鎧を砕き、見事な一撃でその巨体を倒すことに成功する。守護者は最後に、「真の英雄とは、力を求める者ではなく、守る覚悟を持つ者だ…」と告げ、静かに消えていった。
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戦いが終わり、紅葉は黒刃に剣を返し、「これは私には重すぎる剣だと思うから、黒刃くんが持っていて」と伝える。黒刃はその言葉に得意げな笑みを浮かべ、「ふむ…我が選ばれし者であることを示せたから、我もいらぬ!我ゆえに!我は我ゆえに、この力が無くとも、全てを守る事が出来るのだ!」と聖剣を元の位置に力強く突き刺す。
「またやってしまったようだ我ゆえに!」
紅葉は内心で苦笑しながらも、黒刃の頼もしさと、彼の持つ「どこか憎めない英雄の器」を再確認した。そして、黒刃は再び「闇の覇者」としての冒険に、堂々と聖剣を携えて旅を続けるのだった。
こうして、「聖剣騒動」はふたりにとってかけがえのない伝説の1ページとして語り継がれのであった。
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