書く者たち

ありもと優

第1話





 指先を駆使して

 物語を

 詩を

 文章を綴って


 生きるため

 生き延びるため

 生き残るため

 働いて働いて

 生活して

 泣いている

 笑っている



 揶揄や攻撃

 スタンスのない流された言葉

 ポリシーが欠如した精神の裸体文

 画面の上の言葉が

 目の前で踊るかのように生きている

 それは

 どこかの誰かの悲しみに

 変わることがある



 心が吐血にあえぐ苦しみを

 あなたは知っていますか



 全身から命の息吹が消える

 恐ろしさを

 あなたは知っていますか



 暗闇の地底で泳ぐのは

 悪くない

 月光が導いてくれる

 どんなにお金があってもできないこと 




 忘れたはずの気持ちを

 言語化していくことは葬い

 それに夢中で溺れていくなら

 プライドの王様ね



 紙一枚そよいでゆく姿を見送り

 放っておく勇気を持てば

 立ち上がれる

 それが

 もの書きの宿命よ




 いのちのそこから

 生まれたもの

 ヘドロを吐きながら

 血眼のいのちで書かれたもの

 ひらめきの果ての言の葉・花たち



 もう誰も見ないなんて思わないでいい

 その直感だけを抱きしめていて

 書くことも 

 書かないことも

 あなたは選べる


 

 人々は批評する

 自分にその才が当然あるかのごとく

 それは自由で

 だから自然に美しいままに

 星が輝く場合もある


 ただひとつの星が映らなくても

 あなたの書いた小説

 あなたの詩

 あなたのいのちの言葉は

 この世に確かに存在している

 それは必ず

 いつか誰かの強さになる 

 いつか誰かの優しさになる



 最後に自分を信じられる心があるなら

 それがすべてになる



 自分の

 誰かの

 いのちのために

 冷静に

 のたうち回る 書く者たちへ

 最高のリスペクトを送ります


 








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