壊れる世界と魔法使い ~Restorer of the world~
小宮 アオイ
第1話 崩壊世界と魔法使い
「ついにぃ、倒した。たおし……」
目の前で消滅していくなにかに対して剣を握る青年「ルハド・ナミルク」は言うのであった。
彼は勇者にして、魔王を倒すことに成功したこの世界の英雄。そして、そのとなりで安堵の表情を浮かべながら杖を振り回す獣人の「ゼロ・エルメス」は、隣まで歩いていき肩に手をのせた。
「お疲れ様。じゃあ、帰ろっか」
それを見ていた、他2名も近寄り頷くのであった。
魔王は完全に消滅し、世界は平和になった。四人が魔王城から出ると、魔界の上空は雲の隙間から光が差しているのであった。まるで、平和を表しているようであった。
王国に戻ると、お祭り騒ぎであった。パレードによる歓迎から始まり、王様から直々に勲章を貰らった。そして、町の中央には4人の銅像がたてらしく。完成を楽しみにしていた。
しかし、平和の訪れは次の不運の訪れでもあった。
——5年後
大陸は見間違えるほどこの5年で発展した。理由としては、平和が訪れたことによる人々の安心による町の活気。そして、それによる経済効果等があげられる。それ程の効果をもたらした勇者一行はやはり英雄であった。しかし、何時までもこんな美しい日が続くわけでもなかった。
とある日の朝。新聞の朝刊の一面を納めたのはとある「霧」であった。そして、その新聞の見出しを見たゼロ・エルメスは首をかしげながら口に出すのであった。
「突如現れて広がる霧。中に入るとそこは死の世界……?」
その見出しを読み終えたとき。彼の首は横に倒れていた。そして、嫌な予感がするなと思いつつその記事を読み進めるのであった。
(霧の中は元々森だが、荒れ地……。そんな魔法あったか?いや、呪いか?)
そう一人で考察しているのであった。彼は一応魔法使いなので魔法への知識もある。しかし、彼が知っている魔法のなかではそんなもの無かったのだ。彼は、獣人であるが一応エルフの血筋も通っており年齢はとうに500を越えている。だから、彼が知らないと言うことは新しく出来た魔法。それとも、オリジナルの魔法と言うことになるのだろう。しかし、オリジナルだとしてもこんな大規模な物は作れるはずがないとゼロは思っていた。
通常のフィールドを操る魔法は、せいぜいもって数分。更に魔力量の消費も激しいので連発はできる品物ではない。しかし、新聞には何日間もと言う言葉が添えられているのであった。
(取り敢えず、王国に戻って情報集めるか)
そう判断した彼は、早速準備のために家に帰るのであった。
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