スマホを持たずに外に出たら
星咲 紗和(ほしざき さわ)
第1話 きっかけと最初の不安
ある日、ふと「スマホを持たずに外に出てみたらどう感じるだろう?」という思いつきが浮かびました。普段はほとんど無意識にスマホをポケットに入れているし、外出する時は必需品のように感じている。でも、本当に必要なのだろうか?特に何か目的があるわけでもない、ただの散歩ならスマホがなくても問題ないのでは?と考えるようになりました。
しかし、いざ実行しようとすると、心の中に小さな不安が芽生えてきます。「もし道に迷ったらどうしよう」「急に連絡が来たら?」「何かあった時に助けを求められないかも…」そんな風に、スマホを持たないことが急に不安材料に感じられたのです。スマホがあることで安心感があり、それが無いと少し頼りなく感じる自分に気づきました。
でも、「たったの散歩だし、何かあればすぐに帰ればいい」と自分に言い聞かせ、思い切ってスマホを家に置くことにしました。玄関を出て、一歩踏み出した瞬間、自分の片手が何も持っていないことに気づき、奇妙な違和感が襲ってきました。いつもは当たり前のように握っていたスマホがないだけで、こんなに違う感覚になるのかと驚きました。まるで自分の一部を置き忘れてしまったような気分です。
手持ち無沙汰で、最初は不安や落ち着かない気持ちがありました。でも、しばらく歩いているうちにその違和感は薄れていき、自然と景色や周囲の音に目を向けられるようになりました。スマホがないだけで、意識が少しずつ外の世界に向かっていくのが感じられたのです。
「スマホがないと本当に困るのか?」と考えていた不安が、少しずつ消え、むしろ今はその自由さに少し解放感を感じ始めていました。この小さな一歩が、思いがけず私にとっての新しい発見への扉を開いてくれる予感がしたのです。
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