シルクの布
死人に口なし
第1話 なんかそういう奴
何で俺は見知らぬ男と瓦礫の山に隠れてるんだ
『クソ!なんて奴を復活させやがった!』
「はぁ?!復活させたのは俺じゃあないぞ?!」
雲を突き破るほどの大きさの奴は周囲の木
ビル、地面、雲、を破壊し続けている
「あいつは一体何なんだよ!」
『声之雨滝だ!それもベータ版のな!しかもあの感じからして…』
体に穴が空き、中からビームが出て周りを焼く
『やっぱりメートル号付きだ!』
「さっきから何が何だか分からんのやけど!」
『とにかくやばいって事だよ!!』
体の形が大きく変わり、其処らのマンションくらいの大きさになる
『やばいやばい!!おい!
これをあいつに設置しに行け!』
渡されたのは小指の第一関節程の謎の機械
「ムリムリムリムリ!死にに行けって言うのか?!」
『これを置かなきゃどっちにしろ全員死ぬ!』
「お前が置きに行けよォ〜!!」
『俺がやらなきゃいけない事があるんだよ!』
「くそが〜!!!」
しょうもない口喧嘩をしていると奴がチャージしている様な素振りを見せる
『早く!早く!まじで死ぬよ?!』
「わかッたよ!俺が人柱になるよォ゙!」
恐怖の涙と焦りの汗で身体中ぐしゃぐしゃになりながら走って奴の元に行く
案外足元は見えていないらしく、貰った機械を足に置くと、機械は鉤爪を出して奴の足にがっしりと固定される
『早くこっちに戻れ〜!』
「わかってるから黙れー!」
不幸にも鉄パイプが足元にあり、転げてしまう
「いっ…、やっべ〜!」
奴もこちらに気づき、赤く肉の色をした巨大な触手がこちらに落ちてくる
(終わった〜、俺の人生終わった〜、あのカス男がなんか言ってるみたいやけど聞き取れんし)
目を閉じその時を待っていると、やたら死なない
もしかしてもうあの世かと目を開くと
機械を設置した場所から奴が光の粒子になって消えている
あの男が走ってくる
『良くやった!ギリギリだったな〜』
「は?あれ何?どういう意味?」
遂に奴は光の粒子になり、この世から消えた
『あれか?分からないだろうから言わない』
「は?」
『ギリギリっていうのは、消去範囲からギリギリ外だったなって意味』
それも良く分からない、ふと靴を見ていると
つま先あたりが消えている
「きゃー!」
『ん?痛くないはずだぞ?』
「そういうことじゃ無いィ!俺のつま先がァ!」
『ま、良いじゃないか、名誉の負傷だ』
こいつを殺す事を決め、立ち上がる
「これは何なんだよ、教えてくれ」
『どうせ忘れるから別に良いだろ?』
「は?」
男はサングラスを掛け、小さなペンを出す
ピチューン、という音と共にペンの先が光る
『危なかったな、飛行機で輸送中の化学物質がここに落ちてしまったらしい、血は出ていないがつま先が消えている、あそこの医療班に検査してもらえ』
男は何事もなかったように喋り始め、変な色の救急車を指さす
「は?何が?」
俺は混乱気味に聞く
『あ〜クソ、ちょっと多めに消しちまったか?
まぁいい、もっかい言うぞ?飛行機の〜』
「飛行機とかじゃなくて、さっきのバケモン何なんだよ、あの消したやつとか、さっきの良くわからんペンとか」
数秒沈黙が続く
『これは…驚いた、おまえ耐性があるのか…!
付いてこい、全て説明してやる』
シルクの布 死人に口なし @Nounashi_Oroka
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