第18話
いや、何を落ち込むことがあるの桜っ。
もう成実様は"ここ"に居るのです。
すぐ側に、手が届く位置にいらっしゃるのだ。
成実様の"今"、歩様のことはこれから知っていけばいいのです。
あの頃とは違う平和なこの世界で。
ですよね?
歩様ー。
歩様を見るとすでに机に突っ伏して寝ていました。
あああああ……。
本当にどこか悪くしてらっしゃるのでは!?
…………
ちょっ……ちょっっ
ハラハラと歩様を見ていると、歩様の席の隣のあのホラー……もとい貞○もとい濃姫が視界に入るではないかっ。
むしろ濃姫しか入らないっ。
怖いっ、怖いんですが!?
というか、あなたを見ているわけではないんですよっ。
歩様を見たくて、ちょっと顔をズラせば濃姫も……
「「…………」」
なんだ、このホラーッ!!
やんのか、ゴラッ、お……
スパーンッ!!
「おっふぅ!?」
「いいっ加減にしなさいっ!!」
美冬ちゃんから再び上履き攻撃っ。
酷いですよ……酷いです。
「早く帰りたいんだからっ」
美冬ちゃん、心の声が駄々漏れですよ?
そしてホラー、テメェこの野郎、してやったり的な笑顔で笑うんじゃねぇよ。
怖いんだよ。
そっちがその気なら、こっちも奥の手がある。
織田信長公に言ってや……
「五百川さん?」
「はい。先生。聞いてます。バッチリ、ちゃっかり聞いてます。続きをどうぞ」
この担任、さっきも思いましたが、やりますね。
背中に冷たいもなが走ったので、一時休戦。
そして先生の機嫌を損ねてはならないっ。
席替えのために!!
「まだ諦めてないのか……あんたは」
「当たり前ですよっ。歩様の隣に行くためなら……」
スパーンッ!!
クナイを出そうとした私に美冬ちゃんの上履き攻撃が炸裂したのは言うまでもないのでした……。
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