香田台本
Yaki Monja
狐
ストーリー
川に溺れているところを助けてもらった狐は人間に化け孤杉健斗と名乗り恩人の杉浦陽琉に恩を返そうとする。杉浦には川田圭、青山柚月と言った友達がおり孤杉はその人達と過ごしていき本当の恩返しとは何かを考えていくお話。
孤杉登場 孤杉にスポット 一方杉浦子供も登場しナレーションの通り動く。
孤杉「昔、昔といってもそんなに昔ではありません。小さな男の子が川で溺れていた狐を助けました。」
孤杉「狐はこの恩をどうにかして返そうと思いますが、狐は助けてくれた男の子をすぐに見つけることができませんでした。」
孤杉「狐を助けた男の子の名前は杉浦陽琉。狐が彼のことを長年探しても、分かったことはそれだけでした。しかも、長年探したことで、その子は、もう中学生になってしまいました。」
孤杉「しかし、何の巡り合わせかは分かりませんが、ついに狐は彼を見つけることができました。そのため狐は恩を返すため人間に化け、孤杉健斗と名乗ります。」
孤杉「………実はこれ、僕の昔の頃のお話なんです。僕はこの後杉浦君に恩返しをしようと頑張ります。が、果たして僕は杉浦君の願いを叶えて恩は返せるのでしょうか?、そもそも杉浦君の願いとは……?」
杉浦子供「狐、お前だから話すんだけど。俺さあ人見知りなんだ。だから、友達もなかなかできなくて。けど俺親友が欲しいんだよな、ずっと一緒にいてくれるような、どうすれば良いかな。何かいい案あったら教えてくれよ!」
孤杉「さあ、話の続きです。みなさん。ぜひ最後までお付き合いください。」
孤杉はけ
杉浦登場 明点
杉浦「今日もこの公園であいつらと鬼ごっこか、昨日も一昨日もやったっていうのに
、毎日やること何も変わんねーな……もうあいつらが出てくるタイミングだって分かっ
ちまうよ。」
少しの間
杉浦「はい、ここで川田登場!」
川田登場
川田「よっ!早いな陽琉!今日なんか持ってきた?」
杉浦「嫌、特に何も。お前は?」
川田「俺は大好きなべっこう飴持ってきた!お前らの分もあるぞ…」
杉浦「はい!ここで青山登場!」
青山、小杉登場
青山「おはよう!2人とも!」
川田「何で青山来るタイミング分かってんだよ!」
杉浦「ずっと一緒だと分かるんだよ!じゃあ、今日も鬼ごっこと行きますか!」
青山「ちょっと待って!今日はもう1人連れてきたんだよ!」
孤杉「…こんにちは、僕孤杉って言います。」
川田「はあ?何でこんな知らないやつ連れてきたんだよ!」
青山「なんか、陽琉に会いたいっていうから連れてきたんだけど。」
杉浦「え?……俺に?」
孤杉「俺?ていうことはやっぱり、貴方が杉浦陽琉君!?」
杉浦「そう、だけど。こ、こんにちは?」
孤杉「やっと、やっと会えた…(泣き出す)」
川田「陽琉、悪いことは言わねぇ、こいつつまみ出そうぜ、こいつちょっと危ない感じがする。」
青山「圭!そんなこと言ったら失礼だよ!」
杉浦「それで、何しにここに来たの?」
孤杉「(泣き止む)あぁ、杉浦君と一緒に遊びたいなと思いここに、」
杉浦「え?何で僕と?(考えて)良いよ。いっしょに遊ぼう。」
川田「おい!?何でこんな怪しい奴と?」
杉浦「せっかく来たって言うのに、仲間外れは可哀想だろ。」
青山「……そうね、私が連れてきたんだし、私は別に良いよ。」
孤杉「優しさは、僕を助けてくれた時と変わらなくて良かった…」
川田「うん?なんか言ったか?」
孤杉「いいえ、なにも。」
杉浦「(孤杉に)じゃあ、鬼ごっこしようか。」
孤杉「はい。」
川田「よし、じゃあ俺鬼になるわ!」
青山「オッケー!今日は捕まらないぞ!」
杉浦「・・・あの?孤杉君であってるよね。」
孤杉「はっはい!」
杉浦「よし、じゃあ孤杉君、一緒に逃げるか!」
孤杉「はい!」
川田「10秒数えるぞー!」
孤杉「よし、杉浦君を勝たせてあげよう!」
川田のカウントと共に照明落ちる。
川田「零!」
スポットがぐるぐる回り全員走り出す。
川田「待て待て〜!」
青山「絶対捕まらないんだから!」
杉浦「やっべ!こっち来た!」
明転、川田、杉浦を捕まえようとする所で全員スローモーション
孤杉「転べ!えい!」
魔法SE
川田「ああ〜っと!」
川田転ぶ
杉浦「やっりぃ!」
孤杉「よし!」
川田「まだまだ〜!」
暗転、走る音が流れ、やがて止む。4人が座り明転。
川田「お前だけだよ、今日、一回も捕まらなかったの、なんかイカサマでもしたか?」
青山「あ!それ思った!陽琉ずるしたでしょ!これからもバレずにずるして、一回も捕まらない気でいるんだよ、きっと。」
杉浦「まあ、次は分からないよ。…そうだ!川田〜そろそろお腹空いたな〜」
青山「!私も〜」
川田「はいはい、べっこう飴だろ、(取り出して)ほらよ」
杉浦「やった!今日こそ当ててやるぞー!」
孤杉「当てる?」
青山「べっこう飴はね、棒の先が赤いと当たりでね、当たりを持っていったら、駄菓子屋のおばあちゃんからもう一本もらえるの!」
孤杉「そうなんですか…そうだ!皆さん僕油揚げ持っているんですけど要ります?」
青山「何であるの?」
孤杉「大好物なんで!べっこう飴とも合いますよ!」
川田「合わねーよ!」
杉浦「おい!もう食べちゃうぞ!それじゃあ、当たりますように!いっただっきまーす!」
孤杉「……そうだ!杉浦君のを当たりにしてあげよう!」
魔法SE
杉浦「当たった!」
川田「お!すげー!」
杉浦「おっばっちゃーん!当たったよ!」
杉浦はけ、
川田「(孤杉に)なあ、お前」
杉浦登場
杉浦「たっだ今!もう一本いっただっきまーす!」
暗転
杉浦「また当たった!え?これも!これも当たり?もういいってば〜」
川田「何でお前ばっかり当たるんだよ!べっこう飴好きは俺なのに!」
杉浦「好きで当ててんじゃねーよー!」
明転
川田「べっこう飴お前のせいで品切れじゃねーか!よくも俺の大好物を根こそぎ食いやがったな!」
青山「駄菓子屋のおばちゃん青ざめてたね!」
川田「勘弁しろよ〜」
青山「ていうか結構遊んだけど時間大丈夫かな?お昼に一回帰るようお母さんに言われてるんだよね。」
杉浦「…よし、じゃあ一回帰ってまた午後に集まろう、」
川田「そうだな。」
青山「ごめんね、じゃあまた昼に、バイバイ!」
青山、川田はけ
孤杉「あの〜杉浦君?」
杉浦「どうしたの?」
孤杉「………昔!狐を助けたことを覚えていますか?」
杉浦「え?嫌、まあ、昔、川を溺れていたのを助けた気がするけど。」
孤杉「実は僕、その狐なんです!」
間
杉浦「……ごめん、何言ってんの?」
孤杉「今日、貴方の周りではたくさん不思議なことがあったはずです!」
杉浦「まあ、信じられないくらいべっこう飴が当たったことは驚いたけど、」
孤杉「それから、鬼ごっこでも一回も鬼にならなかったはずです!」
杉浦「確かに、そうだね。」
孤杉「あれは僕からの恩返しです!妖術を使ったんです!」
杉浦「妖術?まさか本当に君は狐なの?……(笑いながら)嫌々、そんなわけないだろ。」
孤杉「僕は妖術を使えば川田君を消したり、鬼ごっこに本当の鬼を出したり、頑張れば、隕石だって降らせられます!」
杉浦「どれも物騒だから絶対にやらないで!」
孤杉「…じゃあ一つ予言をします。あと五秒後に川田君が忘れ物を取りに来ます。」
杉浦「え?そんな訳が、」
川田登場
川田「悪り〜忘れ物取りに来た、じゃあな!」
川田はけ
孤杉「ね?」
杉浦「……本当だ、」
孤杉「だから、本当に僕は狐で!妖術を使えば何だってできるんです!」
杉浦「こんなことってあるのか…」
孤杉「そこで、一つ提案なんですかこれからは僕と二人で遊びませんか?」
杉浦「は?何で?」
孤杉「僕と一緒だと何でもできます!あんな面白みもない2人ではできないことだって!そして僕は、これからも杉浦君に恩を返したいんです、だから…」
杉浦「ごめん、嫌だ」
孤杉「え?」
杉浦「俺、孤杉の妖術?は凄いと思うけど、鬼ごっこだって鬼になるかもしれないから楽しいんだし、べっこう飴もたまに当たるから、嬉しいんだ」
孤杉「だったら、そうなるように調整します!だからあんな二人見捨てましょう?」
杉浦「何よりも、あの二人は俺の親友なんだ!きっとお前の妖術じゃ代わりは効かない!見捨てるなんて言わないでくれ!。それに思い出した。狐を助けた時あいつらも一緒だったって。」
杉浦「あいつらは俺にできた初めての親友なんだ。」
孤杉「…」
杉浦「だから、ごめんこれからも俺はあの二人と一緒に遊ぶ、そしてお前は別の人にその力を使って幸せにしてやってくれ。」
孤杉「そんな、」
杉浦「だから、じゃあな!」
孤杉「…だったら!僕が貴方と遊びたいという気持ちは?どうなるんですか?陽琉くん!良い加減にしてください!あんないつ居なくなるか分からない人間よりも良い加減僕と。」
杉浦「親友馬鹿にして、見捨てさせて見捨てさせようとする奴と仲良くするつもりはない!、自分の意見を言う前に、相手の気持ちを考えろ!……それに俺は三人で変わらない日々を過ごすのが大好きなんだ。」
孤杉「…」
杉浦「言いすぎちゃってごめんな。少しの間だけど楽しかった!じゃあな。もしもお前が本当に狐だったら森に帰って、川に気をつけながら幸せに暮らせ。」
杉浦はけ、孤杉はけようとするが止まる
孤杉「僕より、あのお友達の方が…」
暗転
杉浦登場
明転
杉浦「よし!今日も今日とでこの公園で鬼ごっこだ!あいつらが来るタイミングも完璧に分かるぞ!」
少しの間
杉浦「さあ、ここで川田登場!」
川田登場しない
杉浦「…あれ?こない、おかしい…だけど、ここで青山登場!」
青山登場
青山「おはよう!陽琉。あれ?孤杉君は?」
杉浦「あーあいつは森に帰ったよ!」
青山「森?」
杉浦「うん、そう、森」
川田登場
川田「ごめん!遅れた!」
杉浦「おせーよ!いつもタイミングよく来るお前が何で今日は遅れたんだ!何してたんだよ!」
川田「悪いちょっと野暮用で遅れた。でも許してくれ!ほら、お土産も持ってきたしよ!」
青山「おっ!何かな何かな?」
川田「(取り出して)俺の好きな油揚げ!」
杉浦「何だよ油揚げかよ」
杉浦以外ストップモーション
背景青
杉浦「川田の好きな食いもんって…べっこう飴だったよな?」
暗転 音声だけ流れる
孤杉「僕は妖術を使えば川田君を消したり…。」
川田「こいつちょっと危ない感じがする。」
間
川田「悪い、ちょっと『野暮用』で遅れた。」
背景赤
間
チラ見の人はここまで!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
杉浦「まあ、いっか、よし鬼ごっこ始めるぞ!俺鬼になるから、十秒数えたら逃げろよー!」
青山、川田逃げようとするが
青山「ねえ、この前油揚げ嫌いって言ってたけど」
川田「あぁ〜昨日食べたら美味しさに気づいたんだよ!」
青山「貴方本当に川田なの?急に意見を変えるのも貴方らしくない。まるで別の人の様。」
杉浦「おいおい、早く逃げろよ、」
青山「陽琉!今日なんか川田おかしいの。」
杉浦「やっぱり?俺もそう思うんだけど、…まさか、お前孤杉か?」
青山「え?どう言うこと?」
杉浦「実はな、孤杉は狐で妖術を使えるんだけど…」
川田「あ〜!ちょっと待って!これは!その!」
青山「え!じゃあ今目の前にいるのは圭じゃなくて、孤杉君?」
杉浦「ああ、狐といったら人に化けるので有名だからな!……おい!待て!そしたら本当の川田どこだよ!おい孤杉!川田を返しやがれー!」
川田「.………」
孤杉登場
孤杉「川田君!べっこう飴買ってきましたよ!」
杉浦・青山「え?えーーー!」
暗転 川田、青山、杉浦はけ、孤杉は「僕よりあのお友達の方が」のセリフの立ち位置に行く。
川田「一時間前」
孤杉「僕よりあのお友達の方が…」
孤杉「そうだ!あのお友達に僕がなり変わればずっと杉浦君と遊べるじゃないか!」
川田登場
川田「さて、どうしたもんかな、」
孤杉「!あれは川田とかいう奴だな!悪いけど、消えてもらおう。」
川田「お!孤杉じゃん!なんでこんな所に。」
孤杉「川田君、何か言い残す事はありますか?」
川田「急にどうした…」
孤杉「僕はね、杉浦君に助けられた狐なんです。ただ杉浦君に助けてもらった、恩を返したいだけなんです。けど、杉浦君は僕ともう会いたくないみたいで。川田君を消して僕がなり変わればまた杉浦君に恩を返せるじゃないですか、だから悪いけど消えてください。きっと杉浦君はその方が幸せです。」
川田「……おい!お前何言ってんだ!それ、正気か!?」
孤杉「うるさい!えい!」
魔法SE 照明一度点滅
孤杉「……あれ?あれ!何で消えてないんだ?確かに僕は貴方を消す妖術をかけたのに……どうして消えてないんだ……。」
孤杉「ただの人間に僕の妖術がかかんないなんて。」
川田「いや、それが、俺、狐なんだよ。お前と同じ、陽琉に助けられた…」
孤杉「杉浦君が助けた僕以外の狐 …嘘だ、そんな馬鹿なことって!」
川田「お前の妖術が効かなかったのが何よりの証拠だ。」
孤杉「……!」
川田「それに、お前と同じ狐だからお前のやりそうなことなんて分かっていたよ。初めに会った時にこいつは危ないやつだって言ったのもそれが理由だ。」
孤杉「……何でだよ…僕はただ杉浦君と仲良くなって恩を返したかっただけなのに!なんでこうもうまくいかないんだよ!」
川田「………それは、お前の恩返しはお前中心で回っているからだ。」
孤杉「え?」
川田「お前と遊べば、陽琉にとって良いことが起きる。だから、俺を消してしまおう。そうじゃない、陽琉が望むから俺らが与える。恩返しっていうのはそういうことだ。べっこう飴も、鬼ごっこだって多分だけどお前が勝手にやったことだろ?」
孤杉「……じゃあ、じゃあ陽琉君の望みってなんなんですか!」
川田「あいつの一番の望みは、ひとつだけだ。あいつな、俺を助けて少したった時から口癖のように俺に毎日言って来たんだよ。」
杉浦(子供)「俺親友が欲しいんだよな。ずっと一緒にいてくれるような、どうすれば良いかな、何かいい案あったら教えてくれよ!」
狐S E
杉浦「お前が俺の親友になってやるって?それは大歓迎だけどさ、俺、頑張って人間の親友を作りたいんだよ!」
川田「……それから、俺は人間に化けて、あいつの親友として過ごしている。初めてできた親友だって言って、毎日仲良く暮らしてるよ。」
孤杉「……だから、僕が貴方をを見捨てようと言った時にあれほど、」
川田「(笑う)お前そんなこと言ったのか!怒られて当然だよ。これからは俺らと一緒に遊ぶんだ、その方が絶対陽琉にとっても幸せだぜ。」
孤杉「………分かりました。僕杉浦君に謝ってきます!」
川田「その前に、俺を消そうとした罰として一個町超えた所の駄菓子屋でべっこう飴買ってこい!」
孤杉「………はい!」
暗転、杉浦、青山登場、全員前の場面の位置に戻る。
川田「って言うわけなんだ。その後俺は、孤杉にべっこう飴買わせる代わりに俺があいつが好きな油揚げを買ってやった。野暮用っていうのはそういうことだ。」
杉浦「いや!理解できるか!孤杉だけじゃなくお前も狐?いやいやいやそればっかりは信じられない。」
川田「今まで黙っててごめんな!」
杉浦「ごめんな!じゃねーよ。信じられるかよ!何か証拠ねーのかよ!証拠!」
青山「そういえば、孤杉君は予言で自分が狐って証明したんでしょ?川田も何か予言してみてよ!」
川田「予言か………」
杉浦「そうだ、予言しろ!」
川田「杉浦優斗は孤杉健斗と仲直りして、これからは四人でずっと楽しく遊ぶであろう。」
孤杉「……」
杉浦「……(ため息)孤杉、もう二度と二人を消すなんて考えないな。」
孤杉「はい!」
杉浦「よし、じゃあこれからは四人で遊ぶか!」
孤杉「はい!」
川田「ほれ、俺の言った通り。」
杉浦「お前に合わせてやったんだよ!」
青山「あの!陽琉!この際だからいうけど私実は前陽琉に助けてもらった狸なの!」
杉浦「はあ?流石にそれは嘘だろ…………まじ?」
青山「(頷き)」
川田「もう、この際だからヤケクソで言ったのか、お前が狸なのは俺わかんなかったわ。」
杉浦「あれ?てことは俺、人間の親友っていない事になるよな…泣いて良い?」
川田「…さて、じゃあ四人で遊ぶか、何やる?あ!一人と三匹って言った方がいいのか?」
杉浦「……まあ、動物だろうが何だろうが俺らがやる遊びといえば決まっているだろ!」
青山「あ!私も分かった!せーので言ってみる?」
孤杉「良いですね!それ!」
川田「バラバラで言うなよ!」
杉浦「それじゃあいくぞ!セーの!」
全員「鬼ごっこ!!!」
孤杉登場 孤杉にスポット 一方杉浦子供も登場しナレーションの通り動く。
孤杉「昔、昔といってもそんなに昔ではありません。小さな男の子が川で溺れていた狐を助けました。」
孤杉「狐はこの恩をどうにかして返そうと思いますが、狐は助けてくれた男の子をすぐに見つけることができませんでした。」
孤杉「狐を助けた男の子の名前は杉浦陽琉。狐が彼のことを長年探しても、分かったことはそれだけでした。しかも、長年探したことで、その子は、もう中学生になってしまいました。」
孤杉「しかし、何の巡り合わせかは分かりませんが、ついに狐は彼を見つけることができました。そのため狐は恩を返すため人間に化け、孤杉健斗と名乗ります。」
孤杉「………実はこれ、僕の昔の頃のお話なんです。僕はこの後杉浦君に恩返しをしようと頑張ります。が、果たして僕は杉浦君の願いを叶えて恩は返せるのでしょうか?、そもそも杉浦君の願いとは……?」
杉浦子供「狐、お前だから話すんだけど。俺さあ人見知りなんだ。だから、友達もなかなかできなくて。けど俺親友が欲しいんだよな、ずっと一緒にいてくれるような、どうすれば良いかな。何かいい案あったら教えてくれよ!」
孤杉「さあ、話の続きです。みなさん。ぜひ最後までお付き合いください。」
孤杉はけ
杉浦登場 明点
杉浦「今日もこの公園であいつらと鬼ごっこか、昨日も一昨日もやったっていうのに
、毎日やること何も変わんねーな……もうあいつらが出てくるタイミングだって分かっ
ちまうよ。」
少しの間
杉浦「はい、ここで川田登場!」
川田登場
川田「よっ!早いな陽琉!今日なんか持ってきた?」
杉浦「嫌、特に何も。お前は?」
川田「俺は大好きなべっこう飴持ってきた!お前らの分もあるぞ…」
杉浦「はい!ここで青山登場!」
青山、小杉登場
青山「おはよう!2人とも!」
川田「何で青山来るタイミング分かってんだよ!」
杉浦「ずっと一緒だと分かるんだよ!じゃあ、今日も鬼ごっこと行きますか!」
青山「ちょっと待って!今日はもう1人連れてきたんだよ!」
孤杉「…こんにちは、僕孤杉って言います。」
川田「はあ?何でこんな知らないやつ連れてきたんだよ!」
青山「なんか、陽琉に会いたいっていうから連れてきたんだけど。」
杉浦「え?……俺に?」
孤杉「俺?ていうことはやっぱり、貴方が杉浦陽琉君!?」
杉浦「そう、だけど。こ、こんにちは?」
孤杉「やっと、やっと会えた…(泣き出す)」
川田「陽琉、悪いことは言わねぇ、こいつつまみ出そうぜ、こいつちょっと危ない感じがする。」
青山「圭!そんなこと言ったら失礼だよ!」
杉浦「それで、何しにここに来たの?」
孤杉「(泣き止む)あぁ、杉浦君と一緒に遊びたいなと思いここに、」
杉浦「え?何で僕と?(考えて)良いよ。いっしょに遊ぼう。」
川田「おい!?何でこんな怪しい奴と?」
杉浦「せっかく来たって言うのに、仲間外れは可哀想だろ。」
青山「……そうね、私が連れてきたんだし、私は別に良いよ。」
孤杉「優しさは、僕を助けてくれた時と変わらなくて良かった…」
川田「うん?なんか言ったか?」
孤杉「いいえ、なにも。」
杉浦「(孤杉に)じゃあ、鬼ごっこしようか。」
孤杉「はい。」
川田「よし、じゃあ俺鬼になるわ!」
青山「オッケー!今日は捕まらないぞ!」
杉浦「・・・あの?孤杉君であってるよね。」
孤杉「はっはい!」
杉浦「よし、じゃあ孤杉君、一緒に逃げるか!」
孤杉「はい!」
川田「10秒数えるぞー!」
孤杉「よし、杉浦君を勝たせてあげよう!」
川田のカウントと共に照明落ちる。
川田「零!」
スポットがぐるぐる回り全員走り出す。
川田「待て待て〜!」
青山「絶対捕まらないんだから!」
杉浦「やっべ!こっち来た!」
明転、川田、杉浦を捕まえようとする所で全員スローモーション
孤杉「転べ!えい!」
魔法SE
川田「ああ〜っと!」
川田転ぶ
杉浦「やっりぃ!」
孤杉「よし!」
川田「まだまだ〜!」
暗転、走る音が流れ、やがて止む。4人が座り明転。
川田「お前だけだよ、今日、一回も捕まらなかったの、なんかイカサマでもしたか?」
青山「あ!それ思った!陽琉ずるしたでしょ!これからもバレずにずるして、一回も捕まらない気でいるんだよ、きっと。」
杉浦「まあ、次は分からないよ。…そうだ!川田〜そろそろお腹空いたな〜」
青山「!私も〜」
川田「はいはい、べっこう飴だろ、(取り出して)ほらよ」
杉浦「やった!今日こそ当ててやるぞー!」
孤杉「当てる?」
青山「べっこう飴はね、棒の先が赤いと当たりでね、当たりを持っていったら、駄菓子屋のおばあちゃんからもう一本もらえるの!」
孤杉「そうなんですか…そうだ!皆さん僕油揚げ持っているんですけど要ります?」
青山「何であるの?」
孤杉「大好物なんで!べっこう飴とも合いますよ!」
川田「合わねーよ!」
杉浦「おい!もう食べちゃうぞ!それじゃあ、当たりますように!いっただっきまーす!」
孤杉「……そうだ!杉浦君のを当たりにしてあげよう!」
魔法SE
杉浦「当たった!」
川田「お!すげー!」
杉浦「おっばっちゃーん!当たったよ!」
杉浦はけ、
川田「(孤杉に)なあ、お前」
杉浦登場
杉浦「たっだ今!もう一本いっただっきまーす!」
暗転
杉浦「また当たった!え?これも!これも当たり?もういいってば〜」
川田「何でお前ばっかり当たるんだよ!べっこう飴好きは俺なのに!」
杉浦「好きで当ててんじゃねーよー!」
明転
川田「べっこう飴お前のせいで品切れじゃねーか!よくも俺の大好物を根こそぎ食いやがったな!」
青山「駄菓子屋のおばちゃん青ざめてたね!」
川田「勘弁しろよ〜」
青山「ていうか結構遊んだけど時間大丈夫かな?お昼に一回帰るようお母さんに言われてるんだよね。」
杉浦「…よし、じゃあ一回帰ってまた午後に集まろう、」
川田「そうだな。」
青山「ごめんね、じゃあまた昼に、バイバイ!」
青山、川田はけ
孤杉「あの〜杉浦君?」
杉浦「どうしたの?」
孤杉「………昔!狐を助けたことを覚えていますか?」
杉浦「え?嫌、まあ、昔、川を溺れていたのを助けた気がするけど。」
孤杉「実は僕、その狐なんです!」
間
杉浦「……ごめん、何言ってんの?」
孤杉「今日、貴方の周りではたくさん不思議なことがあったはずです!」
杉浦「まあ、信じられないくらいべっこう飴が当たったことは驚いたけど、」
孤杉「それから、鬼ごっこでも一回も鬼にならなかったはずです!」
杉浦「確かに、そうだね。」
孤杉「あれは僕からの恩返しです!妖術を使ったんです!」
杉浦「妖術?まさか本当に君は狐なの?……(笑いながら)嫌々、そんなわけないだろ。」
孤杉「僕は妖術を使えば川田君を消したり、鬼ごっこに本当の鬼を出したり、頑張れば、隕石だって降らせられます!」
杉浦「どれも物騒だから絶対にやらないで!」
孤杉「…じゃあ一つ予言をします。あと五秒後に川田君が忘れ物を取りに来ます。」
杉浦「え?そんな訳が、」
川田登場
川田「悪り〜忘れ物取りに来た、じゃあな!」
川田はけ
孤杉「ね?」
杉浦「……本当だ、」
孤杉「だから、本当に僕は狐で!妖術を使えば何だってできるんです!」
杉浦「こんなことってあるのか…」
孤杉「そこで、一つ提案なんですかこれからは僕と二人で遊びませんか?」
杉浦「は?何で?」
孤杉「僕と一緒だと何でもできます!あんな面白みもない2人ではできないことだって!そして僕は、これからも杉浦君に恩を返したいんです、だから…」
杉浦「ごめん、嫌だ」
孤杉「え?」
杉浦「俺、孤杉の妖術?は凄いと思うけど、鬼ごっこだって鬼になるかもしれないから楽しいんだし、べっこう飴もたまに当たるから、嬉しいんだ」
孤杉「だったら、そうなるように調整します!だからあんな二人見捨てましょう?」
杉浦「何よりも、あの二人は俺の親友なんだ!きっとお前の妖術じゃ代わりは効かない!見捨てるなんて言わないでくれ!。それに思い出した。狐を助けた時あいつらも一緒だったって。」
杉浦「あいつらは俺にできた初めての親友なんだ。」
孤杉「…」
杉浦「だから、ごめんこれからも俺はあの二人と一緒に遊ぶ、そしてお前は別の人にその力を使って幸せにしてやってくれ。」
孤杉「そんな、」
杉浦「だから、じゃあな!」
孤杉「…だったら!僕が貴方と遊びたいという気持ちは?どうなるんですか?陽琉くん!良い加減にしてください!あんないつ居なくなるか分からない人間よりも良い加減僕と。」
杉浦「親友馬鹿にして、見捨てさせて見捨てさせようとする奴と仲良くするつもりはない!、自分の意見を言う前に、相手の気持ちを考えろ!……それに俺は三人で変わらない日々を過ごすのが大好きなんだ。」
孤杉「…」
杉浦「言いすぎちゃってごめんな。少しの間だけど楽しかった!じゃあな。もしもお前が本当に狐だったら森に帰って、川に気をつけながら幸せに暮らせ。」
杉浦はけ、孤杉はけようとするが止まる
孤杉「僕より、あのお友達の方が…」
暗転
杉浦登場
明転
杉浦「よし!今日も今日とでこの公園で鬼ごっこだ!あいつらが来るタイミングも完璧に分かるぞ!」
少しの間
杉浦「さあ、ここで川田登場!」
川田登場しない
杉浦「…あれ?こない、おかしい…だけど、ここで青山登場!」
青山登場
青山「おはよう!陽琉。あれ?孤杉君は?」
杉浦「あーあいつは森に帰ったよ!」
青山「森?」
杉浦「うん、そう、森」
川田登場
川田「ごめん!遅れた!」
杉浦「おせーよ!いつもタイミングよく来るお前が何で今日は遅れたんだ!何してたんだよ!」
川田「悪いちょっと野暮用で遅れた。でも許してくれ!ほら、お土産も持ってきたしよ!」
青山「おっ!何かな何かな?」
川田「(取り出して)俺の好きな油揚げ!」
杉浦「何だよ油揚げかよ」
杉浦以外ストップモーション
背景青
杉浦「川田の好きな食いもんって…べっこう飴だったよな?」
暗転 音声だけ流れる
孤杉「僕は妖術を使えば川田君を消したり…。」
川田「こいつちょっと危ない感じがする。」
間
川田「悪い、ちょっと『野暮用』で遅れた。」
背景赤
間
チラ見の人はここまで!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
杉浦「まあ、いっか、よし鬼ごっこ始めるぞ!俺鬼になるから、十秒数えたら逃げろよー!」
青山、川田逃げようとするが
青山「ねえ、この前油揚げ嫌いって言ってたけど」
川田「あぁ〜昨日食べたら美味しさに気づいたんだよ!」
青山「貴方本当に川田なの?急に意見を変えるのも貴方らしくない。まるで別の人の様。」
杉浦「おいおい、早く逃げろよ、」
青山「陽琉!今日なんか川田おかしいの。」
杉浦「やっぱり?俺もそう思うんだけど、…まさか、お前孤杉か?」
青山「え?どう言うこと?」
杉浦「実はな、孤杉は狐で妖術を使えるんだけど…」
川田「あ〜!ちょっと待って!これは!その!」
青山「え!じゃあ今目の前にいるのは圭じゃなくて、孤杉君?」
杉浦「ああ、狐といったら人に化けるので有名だからな!……おい!待て!そしたら本当の川田どこだよ!おい孤杉!川田を返しやがれー!」
川田「.………」
孤杉登場
孤杉「川田君!べっこう飴買ってきましたよ!」
杉浦・青山「え?えーーー!」
暗転 川田、青山、杉浦はけ、孤杉は「僕よりあのお友達の方が」のセリフの立ち位置に行く。
川田「一時間前」
孤杉「僕よりあのお友達の方が…」
孤杉「そうだ!あのお友達に僕がなり変わればずっと杉浦君と遊べるじゃないか!」
川田登場
川田「さて、どうしたもんかな、」
孤杉「!あれは川田とかいう奴だな!悪いけど、消えてもらおう。」
川田「お!孤杉じゃん!なんでこんな所に。」
孤杉「川田君、何か言い残す事はありますか?」
川田「急にどうした…」
孤杉「僕はね、杉浦君に助けられた狐なんです。ただ杉浦君に助けてもらった、恩を返したいだけなんです。けど、杉浦君は僕ともう会いたくないみたいで。川田君を消して僕がなり変わればまた杉浦君に恩を返せるじゃないですか、だから悪いけど消えてください。きっと杉浦君はその方が幸せです。」
川田「……おい!お前何言ってんだ!それ、正気か!?」
孤杉「うるさい!えい!」
魔法SE 照明一度点滅
孤杉「……あれ?あれ!何で消えてないんだ?確かに僕は貴方を消す妖術をかけたのに……どうして消えてないんだ……。」
孤杉「ただの人間に僕の妖術がかかんないなんて。」
川田「いや、それが、俺、狐なんだよ。お前と同じ、陽琉に助けられた…」
孤杉「杉浦君が助けた僕以外の狐 …嘘だ、そんな馬鹿なことって!」
川田「お前の妖術が効かなかったのが何よりの証拠だ。」
孤杉「……!」
川田「それに、お前と同じ狐だからお前のやりそうなことなんて分かっていたよ。初めに会った時にこいつは危ないやつだって言ったのもそれが理由だ。」
孤杉「……何でだよ…僕はただ杉浦君と仲良くなって恩を返したかっただけなのに!なんでこうもうまくいかないんだよ!」
川田「………それは、お前の恩返しはお前中心で回っているからだ。」
孤杉「え?」
川田「お前と遊べば、陽琉にとって良いことが起きる。だから、俺を消してしまおう。そうじゃない、陽琉が望むから俺らが与える。恩返しっていうのはそういうことだ。べっこう飴も、鬼ごっこだって多分だけどお前が勝手にやったことだろ?」
孤杉「……じゃあ、じゃあ陽琉君の望みってなんなんですか!」
川田「あいつの一番の望みは、ひとつだけだ。あいつな、俺を助けて少したった時から口癖のように俺に毎日言って来たんだよ。」
杉浦(子供)「俺親友が欲しいんだよな。ずっと一緒にいてくれるような、どうすれば良いかな、何かいい案あったら教えてくれよ!」
狐S E
杉浦「お前が俺の親友になってやるって?それは大歓迎だけどさ、俺、頑張って人間の親友を作りたいんだよ!」
川田「……それから、俺は人間に化けて、あいつの親友として過ごしている。初めてできた親友だって言って、毎日仲良く暮らしてるよ。」
孤杉「……だから、僕が貴方をを見捨てようと言った時にあれほど、」
川田「(笑う)お前そんなこと言ったのか!怒られて当然だよ。これからは俺らと一緒に遊ぶんだ、その方が絶対陽琉にとっても幸せだぜ。」
孤杉「………分かりました。僕杉浦君に謝ってきます!」
川田「その前に、俺を消そうとした罰として一個町超えた所の駄菓子屋でべっこう飴買ってこい!」
孤杉「………はい!」
暗転、杉浦、青山登場、全員前の場面の位置に戻る。
川田「って言うわけなんだ。その後俺は、孤杉にべっこう飴買わせる代わりに俺があいつが好きな油揚げを買ってやった。野暮用っていうのはそういうことだ。」
杉浦「いや!理解できるか!孤杉だけじゃなくお前も狐?いやいやいやそればっかりは信じられない。」
川田「今まで黙っててごめんな!」
杉浦「ごめんな!じゃねーよ。信じられるかよ!何か証拠ねーのかよ!証拠!」
青山「そういえば、孤杉君は予言で自分が狐って証明したんでしょ?川田も何か予言してみてよ!」
川田「予言か………」
杉浦「そうだ、予言しろ!」
川田「杉浦優斗は孤杉健斗と仲直りして、これからは四人でずっと楽しく遊ぶであろう。」
孤杉「……」
杉浦「……(ため息)孤杉、もう二度と二人を消すなんて考えないな。」
孤杉「はい!」
杉浦「よし、じゃあこれからは四人で遊ぶか!」
孤杉「はい!」
川田「ほれ、俺の言った通り。」
杉浦「お前に合わせてやったんだよ!」
青山「あの!陽琉!この際だからいうけど私実は前陽琉に助けてもらった狸なの!」
杉浦「はあ?流石にそれは嘘だろ…………まじ?」
青山「(頷き)」
川田「もう、この際だからヤケクソで言ったのか、お前が狸なのは俺わかんなかったわ。」
杉浦「あれ?てことは俺、人間の親友っていない事になるよな…泣いて良い?」
川田「…さて、じゃあ四人で遊ぶか、何やる?あ!一人と三匹って言った方がいいのか?」
杉浦「……まあ、動物だろうが何だろうが俺らがやる遊びといえば決まっているだろ!」
青山「あ!私も分かった!せーので言ってみる?」
孤杉「良いですね!それ!」
川田「バラバラで言うなよ!」
杉浦「それじゃあいくぞ!セーの!」
全員「鬼ごっこ!!!」
香田台本 Yaki Monja @horala
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