第36話
私が今から言うのは、どうしようもない願望。
彼に聞かせたところでどうしようもないけれど、それでも、最後だから大目にみてくださいと居もしない神様にお願いした。
「…私が、ずっと霞さんのそばに居たかったです」
「ん」
「霞さんは、意外と泣き虫だから、私がずっと守りたかったです」
「泣かへんよ、そんなに」
「私はずっと、」
「ずっと?」
「ずっと、私が、わたし、が」
「霞さんと、生きていきたかったです」
—————霞さんも、そう、思ってくれて居たとしたら。
「……そんなん、僕もやわ」
—————それだけでもう、幸せです。
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