第21話

瞬きする間にどこかへ消えてしまいそうな、そんな雰囲気を漂わせるほど危うい霞さん。



しっかりと私が瞳を見つめると彼の方から先に目を反らせて、瞳を伏せた。






「出来ることなら隠しときたかったんやけどな、どこで知らはったん?」


「…先程、八重さんに聞きました」


「嗚呼、成る程。八重さんに口止めするん忘れてしもてたか」






こりゃ、失敗。





そう呟いて何も面白くないのに彼はカラカラと笑う。



カラカラ、カラカラと。



乾いた笑いで誤魔化そうとしている。

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