第4話

生まれた時から比較される人生だった。





2歳年上の姉は"完璧"と言う言葉を具現化したような存在で。元々IQが高く理解力のある姉は勉強も卒なくこなしていた。




ピアノやバレエ、その他の習い事だって。姉は息をするようにすんなりといろんな事を習得していった。先生にはセンスがあると褒められコンクールや発表会ではいつも目立つような存在だった。




両親だってそんな姉のことが大好きで大切で仕方がないというように。彼女を見る目はどこまでも優しく接する態度は愛しくて仕方がないという感情が見て取れた。





愛されて、褒められて育った姉が我儘で性格の屈曲した人だったらどれだけ良かっただろう。





そうだったのなら私は安心しただろうに。





姉もやはり完璧な人間ではなかったのだと。一長一短で人間らしい汚い部分もあるのだと。そう、自分を慰める言い訳だって出来ただろうに。





姉はどこまでも出来た人間だった。浅はかな嫉妬を抱く私にもどこまでも優しい寛大な人で、家族想いで友達想い。私は精神面でも惨敗だった。

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