第2話

『努力は必ず報われる』





そんな言葉を吐いたのは誰だろう。そして、そんな言葉を信じた幼い私はなんて純粋で馬鹿なんだろう。





頑張れば手が届くのだと信じていた。限界を超える努力をすれば私にも関心を持ってくれるのだと。褒めてくれるのだと、姉と同じように私にも、優しい眼差しを向けてくれるのだと。





勉強をした。日々の予習復讐は勿論毎日欠かさなかったし、テストでも毎回学年で上位に入るように頑張った。1位を取った事もあった。私はただただ嬉しくて、成績表を自慢げに両親に見せた。




『椿がお前と同い年の時はもっと点数が高かったよ』





けれど、返ってきたのは私の欲しかった言葉ではなかった。

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