贋作 夢十夜

森くうひ


「雲を頂く高い塔、綺羅びやかな宮殿、厳めしい伽藍、いや、この巨大な地球さえ、

因よりそこに棲まう在りと在らゆるものがやがては溶けて消える、

あの実体の無い見せ場が忽ち色褪せて行ったように、後には一片の霞すら残らぬ、

吾らは夢と同じ糸で織られているのだ」


  ―― 『あらし』 ウィリアム・シェイクスピア作

     福田恆存訳・新潮文庫版より


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