第40.5話 合宿しちゃう??

風呂場のドアを開けた.


風呂のドアを開けると何故かいい匂いがする。

同じ石鹸のはずなのに何故だろう。


あれ、床に……短い黒い毛が一本あるぞ。


ちょっと、クネクネしているぞ。


どっちの!!??


いやいや。落ち着け。


二人の髪だ。それだけだ。

綺麗な髪だが、少しは傷んでいるんだよ。な??

短めのが切れちゃったんだよ。枝毛というやつだな。

それにしては少し長いけど。


それか、腕や足や脇の毛に決まっているだろ?

モデルなんだから、毛がボーボに決まってるだろ???

見たことないけどさ。


いや。違うな。

リサが掃除をいい加減にやったな??

いや……リサの掃除は、汚れ一つない完璧な掃除……


いや!!リサが悪いんだ!!!


そう言うことだからな。

わかったな??

異論がある奴がいたら許さないからな??

論破王の俺様が正しいんだからな??


俺はそっと毛を流した。


シャワーで体を洗い、風呂に入った。


なんか成分が違う気がする。

精力増強の効果の成分でも出たのかな。

だって、俺の股間がおかしいことになっているもん。


風呂の中で、よくよく考えると、俺の半ズボンがパンツに変化したのか。

すごいことだな。


普通の高校生って、こういう経験しているのかな。

中学生のうちから付き合ってやっているカップルはいたな。

最近では小学生でもって聞いたことはあるな。


まあ、キスは俺も経験してるけどね??

あれをカウントしていいのかな……

惨めになるからやめておこう。


意識的か、無意識的か少し長く入ってしまった。


「出てきた!! お風呂で変なことしてないでしょうね〜〜?」


いつもの俺ならビビって、『し、してないよ!!』とかいうであろう。


ただ、ここは俺の家。

そして、ノーブラ、ノーパンで俺の服を着るというハンデを背負っているぞ。

俺の優位。


どうやら俺はクズだったのかもしれないな。


それとも、素直に冗談を言いたいという昔からの希望か?


「陽菜さんじゃないんだから……そんなことしないよ?」

「……ひどいよ〜〜」


姉の方は結構強気で来られると弱いのか。


ただ、俺に言われていて、本当にキモくて反応に困っているのではないかと急に冷静になった。


「あの、ご、ごめん……」


「やっぱりいじるのは苦手そうだね〜!!」


そういえば、昔そんな会話をしたような、してなかったような……

思い出すと色々あれだな。


昼間だった上に、二人がご飯を食べていなかったらしいので、リサが2人の分の軽食を作ってくれていた。


「月城くんって毎日こんなご飯を食べていたら、ほとんどの料理美味しくないでしょ?」

「私もそれ思った。料理対決の時、本当に美味しかった……?」


「もちろん美味しい。ただ、2人作ったご飯も本当に美味しかった。本当に食べれる人は羨ましいと思うよ」


「ありがとう〜〜!!」

「ありがとうーー!!」


素直に気持ちを伝えるって、なんか照れくさいな。


「で、風邪は大丈夫なの〜〜?」

「それねーー」


「なんとか。せっかく誘ってくれたのにごめん」


「いやいやいいのよ〜〜」

「大丈夫!!」


「一つ聞きたいんだが、2人は夏休みをどう過ごしているんだ?」


「わたしは、運動、撮影、勉強少しくらいかな〜」

「私も似たようなもの。運動と勉強かな? 後はアニメ見たりーー」


「どっか行ったりしないの?」


「うん」

「うん」


「そんなもんなのか。俺もそんなもんだな」


「あ〜〜あ〜〜。せっかくの夏休みのイベントがな〜。 誰かが風邪引かなきゃよかったな〜」

「誠にごめんなさい。でも、5人で行けばよかったろ?」

「奇数は気まずいじゃん!!」

「誠にすいません」


「これはな〜お詫びしてもらわないとな〜。深月ちゃんの誘いも断るなんて〜〜! 美女二人の夏休みなんだと思っているのかな〜〜」

「本当だよねーーー!!」


「もちろん冗談とわかっているけどさ、せっかく俺なんかを誘ってくれたからさ、田舎の別荘2人で使う? そこにはプールがあってさ、花火大会も近くであるみたいなんだ」


「え! いいの〜〜!?」

「いいのーー??」


「いいよ。二人なら安心してる。まあ、流石に放火とかされたら困るけど。あ、失火なら仕方ないけどさ」


「やった〜!! でもね…深月ちゃんも、同じ考えだよね〜〜」

「うん。私も思った」


そうだよな。

姉の方も別にそこまで花火大会に行きたいわけでもなく、妹の方も券が余っていたから、もったいない精神で俺を誘ったにすぎない。


今こうして接してくれているのも優しいからだ。

俺の別荘を使いたいわけではないんだもんな。


「ごめん。なんでもない。 忘れて……」


「そうじゃなくて〜〜!! 月城くんも行くでしょってこと〜〜!」

「そうそう。私たちでだけで行っても日常と変わらないし」


「え? あ、でも、結構遠いし、日帰りだとキツいかなと……」


「じゃあ、何泊する〜〜?」

「私は何泊でも!」


泊まるのもOKなのか?

もしかして俺だけ日帰りか? 

野宿なのか?


「本当に意味わかっている?」


「うん。お泊まりだね!」

「イベントできたーー!!」


この姉妹にとっては普通なのか?

俺がおかしいのか?


確かに前の学校とかでも、『お泊まり会!!』とかあったな確かに。

でも、ああいう奴はみんなヤリチンだろ??


あ、そうか。

お泊まり程度は経験済みってことなのか……


男と思われてないのかもしれないな。


急に金目当てか? タワマンってことを知って。

既成事実ってやつを作る気か?


でも、どこぞのデリバリーに払うより全然いい思いできるな。

金目当てでもいいか……。こんな経験一生できなそうだしな。


「え。うん。じゃあ、そういうことで……お願いします」


「じゃあさ、勉強合宿ってことにしよ〜〜!」

「それいいね!こないだみたいにやると面白いし!! プールも入れるし! 花火も見れるし!!」



「あ、あのさ、リサも連れて行ってもいい? 女子2人だけだと心細いでしょ? それにリサも家にいてもつまらないだろうし……」


「もちろん!!」

「もちろん!!」


「わたくしはお邪魔じゃないですか?」


「全然!!」

「全然!!」


「では……お言葉に甘えて……」


「じゃあ、いつにする〜〜?」


「花火大会は、たしか……約10日後かな?」


「じゃあ1週間くらいのお泊まりでいい?」

「私も大丈夫だよーー」



「結構長くね?」


「嫌?」

「嫌?」


「俺は嫌じゃないよ?」


「食料などは、わたくしにおまかせください」

「俺も手伝うよ?」

「私も!!」

「わたしも!!」


「じゃあ、みんなでやるか」


「では、せめて先に掃除だけでもさせてください」


「着いてからやればいいだろ? あれ?? 俺だけ先行った方がいい?」


「なんでそうなるのさ〜」

「私たちが使わせてもらうんだから、私たちがやるのが当然でしょーー!!」


「お客様は神様ですので……。じゃあ、着いたらやるということでいい?」


「うん!」

「うん!」


それにリサの掃除はピカイチじゃないからね!!!!

リサには任せられないよ。全く。



「次は風邪引かないでね〜〜?」

「善処します。 二人とも気をつけて。俺が言える立場じゃないんだけどさ」


「そうだね。今も危険だもんね。なんかスースーするし〜〜」

「……うん。」


「やめてくれ……」


「でも、月城くんの親御さんは大丈夫なの??」


「ん? ああ。100万くらい金払えば大丈夫だと思うよ!」


「100万!?」

「100万!?」


「お小遣いいくらなの!? 随分貯めたね〜〜!!」


「いいえ。全て、ひかる様が稼がれたお金ですよ」


「!?」

「!?」


「ま、完全に俺のお金てわけではない。お年玉とかであった10万を株で増やした。」


まだ金はあるけど、自慢くさいしな。

それにもっと稼げるが、インサイダー疑われてると困るから、少額にしているとは言えないしな。


「すごーーーい!!」

「え。もしかして、授業中、たまに携帯いじっているのって……」


「そうそう。トレードしてた。ガチャとかもしてたけどね。あれ……バレてた??」

「先生からは、ギリ大丈夫かな〜〜?」

「よかったよ」


「月城くんって頭いいんだねーー!!」

「あ、ま、学問と株は違うんだよ!!」

「そうなのかーー」


「でも、お金払うなんて偉いね〜〜!! タダで、使わせてくれるのかと思ってた〜〜!!」

「お金持ちの人ってそんなイメージだよねーー!」


「まあ、家の家訓?的には、欲しいものはちゃんと自分の力でって感じだな。稼ぎ方は自由だ。株でも、バイトでもなんでもいい。」



「そうなんだ〜〜」

「そうなんだーー」


「まあ、このマンションは母親が所有していたからそのまま使っている。家賃は払っていないから楽かな。あとは自腹でそんなに物も買わないしな。ゲームも無課金だし!」



「結構普通なんだね〜〜」

「ねーー!!」



「みんなが思っているより、意外と普通さ。俺はな」


「ら?」

「ら?」



「あ……。リサと俺ってこと!!」


やべえ。

二人と話しているとつい気が緩んでしまうな。



「わたし達にとって、月城くんは月城くんなんだけどね〜〜!!」

「意外だったけど、だからって変わらないもんね!!」


「ありがたい……」



そして、4人で1週間の予定を立ていたら、あっという間にいい時間になった。



洋服も乾き、姉妹は無事に下着を着れたようだ。


着替える時、カメラでも仕掛けとけばよかった……。

反省だ。


「この洋服は…洗って返す?」

姉の方が妹の方分も渡してきた。


「いいよ別に。そこまでしなくて」

「あ、え、うん。じゃあ、置いとくね??」


どうした?

妹の方もちょっと困った顔をしているぞ?


ああ。そうか。


履いた下着を渡しているようなものか。


「じゃあ、色々ありがとね〜〜!! 楽しみにしている!!」

「雨宿りありがと!! 楽しみーー!!」


「これくらい大したことないよ」


「じゃあ、またね〜〜」

「またねーーー」


「じゃあ、また」


姉妹無事にご帰宅なさった。


ということで、俺にもやらなければならいことがあった。


「おい。リサくん。仕事だ」

「わかっております。真空パックでこざいますね??」

「よくわかっているな」


と、いうわけで、返してもらった洋服を真空パックに入れて、金庫で厳重に保存しておきました。


【御神体】のできあがりだ!!!!


俺が、大大大好きなラノベのキャラも、パンツを御神体って崇めていたんだ。


俺の場合は俺の服だ。

俺の洋服を金庫に入れただけだ。

なんの問題もないであろう。



ということで、勉強合宿の準備をしなければならないな。


俺らが会った4日後から、合宿はスタートだ。


この4日間は、合宿で何かあるといけないから、みっちり肉体をトレーニングしておこう。


あとは、合宿での1週間の過ごし方だ。

せっかく仲良くなったのにここで嫌われたら残念だ。

同棲したら別れるカップルが多いらしい。

カップルですら別れるのだ。

友達なんてすぐに幻滅されてしまうであろう。

ネットで色々な情報を摂取しておこう。


あとはパンツの新調だ。

水着も下着も含め。

そもそも遊ぶ用の水着なんて持っていない。



「そういえば、今度の用意できた?」

「いいえ。まだ。正直どうすればいいかわかっていないのです。何せ初めてですので」

「俺もそうなんだよなーー」

「やはり拷問器具は、何個か持っていった方がよろしいでしょうか?」

「一つもいらないぞ」

「作用でございますか」


「とりあえず、買い物行くか?」

「では、そうしましょう」


俺らはデパートに向かった。

「水着選ぶの手伝ってくれない? 店員に案内されるのが本当に苦手で」

「もちろんです」


「では、このブリーフ型はどうでしょうか?」

「色々と危険だ。普通の長めのやつがいいな」


色々見ていると、奥の女性エリアの方で、誰かはよく見えなかったが、めちゃくちゃエロい水着を持って、試着しに行った奴がいたぞ??

女子エリアは天国なのか??


ガン見すると捕まりそうだから、自分ことに集中しよう。


と、いうか、俺って二人の水着姿を観れるのか?

二人はプールはあまり入らないのかな?

勉強合宿だし。

そこら辺の女子のように、SNS用の写真撮って終わるやつかな。


そんなことを考えながら、俺の水着や洋服選びは終わった。


俺は近くのベンチで休み、リサは一人で買いにいかせた。


一応年頃の女の子だ。

仲はいいとは言え、女性のエリアに一緒に行くのは嫌だろう。

それに、俺みたいにコミュ障ってわけでもないし、大丈夫であろう。


ボーッとしていると、声をかけられた。


「あ!!また会ったね〜〜〜!!」

「おーー!!」


水着ショップの近くで、またしても二人に会ってしまった。

そういえば、こないだも、このデパートで買い物してたとか言ってたもんな。


そしてまたしても、手を振ってくる。

多分、てか99.9パーセントの確率で俺に振っていると思う。


ただ、0.1パーセントの確率で、デパートで手を振るルーティンかもしれない。

やめておこう。


「どうも」

俺はいつも通り会釈をした。


「手振ってよ〜〜〜」

「手を振ってよーー」


「いつかね」


「何してたの〜」

「何してたのー」


「買い物!!」


「だから〜何買ったのよ〜? あ、まさかゴム?? 」

「陽菜ねー。月城くんはそんな髪は長くないでしょ!!」


違う違う。

姉の方はおそらくそっちの意味ではないぞ。


「そうだ。その通りだぞ。髪は短いからな」

「うわ〜のってよ〜」


妹の方はキョトンとしている。

本当はわかるだろ??

頭いいんだろ??


「で、なに買ったの〜〜?」

「水着を買っていたんだ。もしかしたら入るかもだからな…」


あれ。いいんだよね? 

勝手に入る気持ちになってたけど、よくよく考えたら、俺は見学とかなのか?

見学とかでも十分だけどさ。


「もしかしてって何よ〜〜!! 一緒に入るんだよ〜〜!!深月ちゃんとわたしも水着を選んでた〜〜!!」

「せっかくだから、ちゃんとしたやつにしたかったし!!」


「そんな大したプールではないぞ?」


「そういうのは、女の子にとっては大事なの!!」

「そうそう」


「そうなのか」


「深月ちゃん、わたしが止めるくらいの布面積のやつを選んでいたから一緒に選び直したんだよ〜〜」


もしかして、さっきっ見たやつって……。

やっぱり、妹って感じだな。


「オシャレって難しい……」

「モデルなんだから、得意そうだけどな」

「私はあくまで代理だから!」

「てか、前のでいいじゃん別に。俺を誘った時に持ってたんじゃないの?」

「持ってたけどさ、前はさ、他の人もいるプールだったからさーー。今回は知っている人だけだし!!だから、少しオシャレにしたかった! でも、初めてでよくわからなくて、陽菜ねーに助けてもらった!!」


意外にも、そういうのは考えていたのか。


「水着見たい〜〜〜?」


「どうせ見れるんだろ?」


なんて答えるのが正解なんだ??


「いうね〜〜!!」

「あーー。変態だーーー」


「そう言われましても……」


「じゃあ、その時ね〜〜」


「じゃ、じゃあ…楽しみにしとく…」


ということで、あっという間に4日経った。


前より筋肉もついたぜ!!


準備万端!!

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