実らなかった初恋の…奇跡

秋風爽籟

第1話 出会い

まいの家は、舞の中学入学に合わせて家を購入し、引っ越しをした。



今までの、学校の友達に会えなくなって寂しかった…

新しい友達が出来るかも不安…

それでも、新しい家に住めて…

自分の部屋も出来たから、不安だけど

乗り越えるしかないよね…



舞が行く中学校は、埋め立て地に建っていて

古くからある学校ではない…

でも、高校が隣にあってその高校に進学する子も多いらしい。



最初に登校する日…

舞は、緊張して出かけた…

友達が近くに住んでいるのかも分からない…



新しい制服を着て出かけたけど…

歩いていると、同じ制服の人も沢山いる…

でも、その人が同級生なのか、先輩なのかも分からない…

不安でいっぱいだった。



クラス発表を確認してから、教室に着くと…沢山の友達はいるけれど…

みんな、同じ小学校だったのか…

それぞれに楽しそうに話をしている。



舞は、自分の名前がある机を探して席についた。

後ろから3番目の席…



舞が席に座るとすぐに、1人の男の子が教室に入って来た…

その男の子は、友達を見つけたみたいで…



「おー同じクラスだな。よろしく」



と話し掛けていた。



そして、その男の子は舞の席の斜め前に座った…

その子は、急に振り向くと…



「初めて会うよね?どこの小学校だったの?」



急に話し掛けられて…戸惑ったけど…



「私…引っ越して来たばかりで…前は○○小学校だったんだ…知ってる?」


「なんか、聞いたことあるよ。そうか…引っ越して来たのか…」


「うん……」


「中学のことは、俺も分からないけど…町のことなら分かるから聞いてよ」


「うん…ありがとう」



その会話と同時にベルが鳴り…先生が入って来た。



「今日から担任になる鈴木だ。よろしくな」



その先生は男の先生だった。そして副担任は女の先生…



その後、体育館に移り…入学式が行われた。



入学式が終わり、教室に戻ると先生が話し始めた。



「みんなは、色々な小学校から集まってるから…まずは自己紹介をしよう。先生からいくな…先生は、この中学校に来て、5年目だ。社会を教えている。二児のパパだ。よろしく!」



そして生徒の番だ…

次々と、自己紹介をしていく…



そして、さっき話し掛けてくれた男の子の番になった。



徳島空とくしまそらです。○○小学校から来ました。生まれた時からずっと今の家に住んでいます。中学校になってやりたいことは、クラブです。でも、まだ何に入りたいか決めていません。よろしくお願いします」



―――空くんって言うんだ…



そう思いながら…みんなに合わせて拍手をする…



そして、舞の番になった。



舞は、人前で話すのが苦手だ…

ゆっくり立ち上がると…

空が、振り向いて微笑んだ…

すると、不思議と勇気が出た…



「藤本舞です。○○小学校から来ました。引っ越したばかりで何も分からないので、よければ教えてください。よろしくお願いします」



みんなが拍手してくれた…

そして、空も振り向いて拍手してくれた…



休憩時間になると…

同じように転校して来た子が話し掛けてくれた。



「みんな、同じ小学校から来た子が多いから、なかなか馴染めないよね…私、松村栞まつむらしおりっていうの…よろしくね」


「そうだよね…こちらこそ、よろしくね」



それから、帰る前にも栞と話をした。

栞とは仲良くなれる気がする。



―――はぁー!なんとか、初日が終わった…



あれから、空と話すことはなかったけど…

舞は、なぜか空のことが気になった…



空のおかげで自己紹介も乗り越えられた…



これからの中学校生活、楽しくなればいいな…



そう思いながら、舞は眠りについた…


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