性行為をしないと死んでしまう世界

なゆお

性行為をしないと死んでしまう世界

この世界では、性行為とは生きる為の手段であり、本来の『子を成すため』という1番目的は第二の目的になってしまった。


18歳。

いつしか、18歳になった男女が全員死んでしまったのである。


だが、唯一残った子供は、未成年にて性行為をしていた子供であった。


政府はこの事を聞いて、もしやと思った。

だが、それが間違えであったら問題が生じてしまう。


たたでさえ、少子化が 進んでいるのにこれ以上、子供を減らしてしまうのを考えたのか、実験をした。


まず、人口受精はダメなのか。

死ぬからと幾つもの罪をやってきた少女を実験台として招待した。


どうせ死ぬから。

そう言って彼女は協力してくれた。


本当に死んでしまった。

どうやら、本当に性行為をしないといけないらしい。


これを公表したら、やはり賛否両論の嵐だった。

しかも、避妊用具等の一切の使用も禁止されていて、妊娠させる気があると言われていたが、まさか本当に死ぬとは思わなかったのか、18歳になった瞬間にその少年は死んだ。


それからというもの、18歳になる前に少年少女達に性行為を余儀なくさせた。


そして、そんな世界にある1人の男の子がいた。

その子はとてもとても死にたがりな17歳の男の子だった。


あと数日で死んでしまうと言うのにその顔は何処か清々しい。


そうして、男の子の誕生日の前まで日が進んだ。

クラスメイトは男の子を哀れな目で見つめ、父はどうにもできない彼の想いを変えたいが為に奔走し、母は泣き崩れていた。


明日になれば男の子は心臓発作で死ぬ。

この時を心の底から待っていた。


が、男の子は18歳になっても死ななかった。

彼は発狂しそうだった。


その時、母が来た。


「…良かった。私が、救ったんだ…」


「 」


男の子は何か叫んだ。

母のその一言で察してしまった。

男の子が寝ている時に母と行為に至ってしまったのだと。


男の子は発狂しながら包丁を出し、

喉に刺して死んだ。


母はそれを目の前で見てしまった。


父はその事を知るやいなや、首を吊って死んでしまった。


きっと、愛していた人が息子と行為に及び、そのせいで、息子が悔いながら死んでしまったからそれを止められなかった責任と苦しさでそうしてしまったのだろう。


母も世間の目の重さや鋭さに耐えかねず、自分で首を締めた。


そうして、1日で1家が滅んでしまった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

性行為をしないと死んでしまう世界 なゆお @askt

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画