第40話

ゴリラが大阪出張から帰ってきた。


私はゴリラに抱きつきキスをする。


「今日は土産より俺か!うむ。くるしゅうない」


「後藤」


「なんだ」


「して」


「おお!?」


「今すぐ」


するとゴリラは私の顔をじっと見つめて優しくキスをしてくれた。


「…なんかあった?」


「…なんにもない」


何もない!何もないってば!

ジャングルに帰っちゃうから絶対に言わない!


これ以上何も聞かれないように私はキスをしながらゴリラの服を脱がしていく。


「山田」


「……」


「どうした」


「……」


「そうか」


何も言わない私を問い詰めるでもなくゴリラは私を抱きしめる。


「…言えない…絶対に言えない…」


「…イケない?絶対にイケない…だと?」


「…言わない…絶対に言わない…」


「…イカない?絶対にイカない…だと?」


聴力に問題があるのかわざと聞こえないフリをしてくれているのかゴリラの鼻息が荒くなった。


ゴリラの指と舌が気持ちよすぎてあっという間にイッてしまった私。


「後藤…」


「ん?」


「……」


「俺の…?」


「……」


「通天閣を…?」


「……」


「山田の…?」


「……」


「道頓堀に…!?」


「……」


「いいのか山田…今日の俺はヤバいぞ」


「……」


「どうなっても知らんぞ」


「あぁん♡」




大阪で修行をしてきたゴリラの通天閣はすごかった。あべのハルカスだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る