第33話
ゴリラは今日からまた出張。
今度は大阪ですって。
てか出張多くない!?多いのよ!
あの会社はどんだけ私のゴリラを全国に派遣させて見せ物にするつもりなの?
でも…仕事が出来る男ってス・テ・キ!
早めに仕事が終わった私は職場近くのコンビニに寄った。
な、な、なんとそこで元彼・玉木宏似の男を発見してしまった!
「な、何故あの男がここに!?」(小声)
私の声が聞こえたのか玉木宏似の男と目が合ってしまった!
「ぎゃああぁー!!」
私は逃げた。
するとどういうわけか玉木宏似の男が追い掛けてきた。
「いやだ!こわい!」
私は逃げて逃げて逃げまくった。
はずなのに…
仕事の疲れなのか昨日ゴリラと激しい夜を過ごしたからなのか、あっという間に追い付かれてしまった。
玉木宏似の男に腕を掴まれる。
「あー疲れた。なんで逃げるんだよ」
久しぶりに見る玉木宏似の男。やっぱり似ている玉木宏に。
「だ、だ、だってアンタが追いかけてくるから!ゼーハー」
私は掴まれた腕を振り払った。
「そりゃ逃げたら追いかけたくなるよ」
ニヤりと笑う玉木宏似の男。
「とりあえず走って疲れたからお茶しない?」
「仰ってる意味がわかりません」
「ああー!急に腹が痛くなってきた!助けてくれー!」
腹痛を訴えうずくまるという下手な芝居をうってきた玉木宏似の男。
「では、私はこれで」
看護師の私は玉木宏似の男をその場に置き去りにした。
「っておい!そこのナース!美人ナースさん!助けてって!美ー奈ー子ぉ~!」
アホみたいに大きな声を出す玉木宏似の男。
あーりーえーなーい!
「わー!もうやめてよ恥ずかしい!玉木宏みたいな顔して何やってんのよ!」
あまりにもうるさくて恥ずかしいから、慌てて玉木宏似の男の所に戻って玉木宏似の男の口を思い切り塞いだ。
「うっ」
わざとらしく苦しむ玉木宏似の男。
「苦しい…息ができない…!マウストゥーマウス…美奈子…マウストゥーマウスして」
と言って唇を突き出してくる玉木宏似の男。
「なにしてんのよ本当に…!てかなにそのヒョウ柄ジャケット!いい!すっごい似合ってる!」
顔だけはいい玉木宏似の男はスタイルも玉木宏に似てるもんだから相変わらずスタイリッシュで余計憎たらしい。
「ありがとう白衣の天使」
別れて正解、こんな男。
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