第30話
ゴリラのドラミングの効果が抜群だったようで、ストーカー森はまったく姿を見せなくなった。
ゴリラの同僚(人間)によると、どうやら会社を辞めたらしい。デビューが決まったのかどうかまでは知らないけれど。
本当に一体なんだったのかしら。まったく人騒がせな男ね。
とりあえず、ゴリラにも私にもなんにもなくて良かった!
そして再び訪れた平和な日々。
「後藤」
「ん?」
「私の事好き?」
「好き」
「大好き?」
「大好き」
「愛してる?」
「愛してる」
「私のどこが好き?」
「豊満な胸」
と言って私の豊満な胸を揉むゴリラ。
「と?」
「って言っても喜ぶところ」
「と?」
「尻」
と言って私の美尻を撫でまわすゴリラ。
「と?」
「って言っても笑ってるところ」
「と?」
「顔」
と言って私を見つめるゴリラ。
「って言っても嬉しそうなところ」
「と?」
「そんな顔してこんな事聞いてくるところ」
「そんな顔ってなによ失礼ね!プンスカ!」
「あーかわいい。山田は本当にかわいい」
「後藤も本当にかわいい」
こういうくだらないやりとりにいつもつきあってくれるゴリラが好き。
忙しくても疲れていても会いたくなるし会ってくれるゴリラが好き。
優しくて穏やかで冷静で。好き嫌いがなくて身体が丈夫なゴリラが好き。
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