第20話
順調に愛を育み数ヶ月くらい経ったある日のこと。
「俺、明日から1ヶ月出張になった」
「どこの動物園?上野?旭山?」
「札幌」
「うっそ」
「1ヶ月会えなく…」
「ロイズのチョコ買ってきて!」
「1ヶ月会え…」
「あとバターサンド!」
「1ヶ月…」
「あ、あとラーメンと毛ガニとスープカレー!」
「……」
「明日からとかずいぶん急じゃない!しかも1ヶ月も!?」
「……ご注文は以上でよろしいですか?」
「……」
急に淋しくなった。
私の仕事が不規則だから、そんなに毎日毎日会っていたワケじゃないけど、会える時はほとんどこうしてゴリラの家で会っていた。
ゴリラが1ヶ月もいなくなっちゃうなんて。
「あら?もしかして淋しいとか思ってくれてる?」
「淋しい…」
「お、やけに素直じゃないか」
「淋しいよ…」
「ちこー寄れ」
私はゴリラに抱き付いてキスをした。
「うむ。くるしゅうない」
「……」
「なんだよ、らしくないな」
「……」
「どうした?」
「……」
「山田?」
「後藤…」
「ん?」
「…白い恋人も忘れないで!」
「ズコー!!!」
ゴリラは白目をむいて後ろに倒れた。
「山田…俺のこのびんびん物語どーしてくれんだよ!?(下半身に注目)」
見事な腹筋で素早く起きあがったゴリラとゴリラのびんびん物語。
「……」
「…すまん」
私はずっとゴリラに抱きついて耳とか首とか色んな所にキスしてた。
その間ゴリラもずっと私の身体をいやらしく触っていたから、びんびん物語になるのも無理はない。
「後藤…」
私は今にも泣き出しそうなのを必死に堪えてゴリラに絡み付く。
「山田…」
ちょっと嬉しそうなゴリラ。
「明日から会えなくなるから今日は1ヶ月分ヤルぞ」
「きゃあ♡」
ああんもう…ゴリラったら淋しくないの…?
――――
「ヤバい…」
「…ん、」
「…山田が…俺を…っ…寝かせて…くれないから…寝不足…だっ…」
「あっ…」
「…今…何時だっ!?」
「ごっ…5時ぃ…っ」
「いかん…もう…イカなくては……」
「ああん…ダジャレ…?」
「…すまん…山田…俺…もう…イクわ…」
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