第13話
翌日。
ゴリラが行きたいと言っていたラーメン屋さんでラーメンとネギチャーシューごはんと餃子を食べた。とっても美味しかった。
その後すぐに小腹がすいたのでちょっとオシャレなカフェーに行った。
「ねえねえ何にする?あ、バナナパフェーがあるよバナナパフェーにしてバナナパフェーにするでしょ?」
「……」
険しい表情でメニューを眺めるゴリラ。
「あ、そっか。ごめんね」
「……」
「バナナオンリーパフェーの方がいいよね生クリームとか余計なモノは入れてくれるなってね」
「……」
引き続き険しい表情でメニューを眺めているゴリラ。
やだ…どうしよう…まさか…もしかして…メニューの文字が読めないのかしら…ゴリラだから!
「ベリーベリーパンケーキ生クリーム増量」
「読めてた!」
とてもかわいい店員さんによって運ばれてきたとてもかわいいベリーベリーパンケーキ生クリーム増量をウホウホ美味しそうに食べているゴリラを見て世界一似合わない組み合わせだわーと思わず口から出ちゃいそうになったけどぐっと我慢してチーズたっぷりほうれん草とベーコンのキッシュを食べる私。
「ねえ。身長と体重教えて?」
「188の88」
「握力は?」
「500kg」
「血液型は?」
「B」
「誕生日って9月24日?」
「うん。それ世界ゴリラの日な」
「すごい!」
「そんなに俺の事気になる?てかずいぶん一生懸命調べてくれたんだねえ俺の事」
ゴリラは私を見透かしたようにニヤニヤウホウホ笑った。
「あ、すいません、追加でティラミスお願いします」
なんか私を馬鹿にしたような顔のゴリラが気に入らないから無視してやった。
「山田」
無視されて悲しいのか私をじっと見つめるゴリラ。
「なあに?」
ゴリラが私のプルプルセクシーリップを一点集中で見つめている。
ああ神様、本能が暴れ出したこのゴリラはこんな公衆の面前で私の唇を奪おうとしているのですね!
キッシュを食べている私とキッスがしたくなったのですね!わかりますわかります!
「山田」
「ん?」
口をいやらしくちょっとだけ開けてみる。
「口に虫ついてる」
「…んな…っ!!」
ってそれ誰かのネタだし!
てか本当に虫付いてるし!
アナタどっからきたの?ほうれん草に隠れてたのかい?
てかなんでこんなオシャレなカフェーで私の唇にピンポイントで虫がつくのよ!
ウホウホ笑っているゴリラ。
ヒドイ。このゴリラったら本当にヒドイ。
「山田」
「なによ…虫なら取ったわよ…」
「山田」
「なによ?今度はどんな虫がついてるって?」
「ヤマダ電機行かねえ?」
…ねえ、なんなのこのゴリラ。
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