第4話

焼肉屋。


このオスゴリラ…、お詫びして訂正。

この男は『後藤良太郎』という名前で26歳との事。

私と同い年だった。


この顔で良太郎。良い太郎。

とっとこ良太郎。ぷっ笑える。


…ハッ!


『ゴトウリョウタロウ』

略して『ゴリ』!天晴!



ウホッ。ウホッ。



あーん、もう、ウホウホうるさい。


いやーん、このハラミちょー美味しい!



「ねぇ。なぁ。…おーい!」


「えっ!?」


「聞いてる?人の話」


「ごめーんハラミが美味しくて」


ハラミに夢中でゴリラの声なんて耳に入らなかったわ。


「どこで働いてんの?」


「〇〇病院」


「えっ!?」


やたら驚いているゴリラ。


「事務?まさか看護師じゃないよね?」


「残念ながらそのまさかの看護師ですが」


ハラミを頬張りながら答える。


「マジか…信じらんねえ…!絶対ホステスだと思ってた」


ほ、ホステス!?

場末のスナックのですか!?


「せめてキャバ嬢って言ってくれないかしら」


「へぇ~」


何かよからぬ事を想像していそうなゴリラの顔。

いかがわしいDVDのタイトルが浮かんでいそうなゴリラの顔。


「アナタこそ仕事は?」


平日にパチンコ来てるなんてフリーターかまさかニート!?


「〇〇で設計の仕事してる」


「〇〇!?」


ヤダ…超が付くほどの一流企業じゃないの!

ゴリラみたいな顔してなかなかやるわね…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る