今日も言葉の海を泳ぐ。

詩月 彩

第1話 世間を騒がした君

一時は世間をお騒がせしていた君のこと、心配していたんだ。

少しずつ回復していると知って、良かったと心を撫でおろす。

秋になるとピカピカに輝きを放つ君に、さらに心を奪われる。


湯気を纏って登場する君は、最強だ。

まさに死闘を繰り広げた末に、勝利の栄光を手にしたボクサーなみの熱気。

そこに、拍手喝采が響き渡る。

その光景に見慣れてしまったけど、君がいなくなった時の喪失感を考えるだけで、

胸が痛くなる。


君がいないと、私だめみたい。

だめみたいなの私だけではないみたい。

たまに、浮気してしまうけど、気づいたんだ。

やっぱり、君が一番だと。

君は仲間を作るのが上手だ。君には何人の相方がいるんだろう。

手の上で転がされて、相手と共に抱きしめられる君。

そこで待ってて、放置してしまい、君を怒らせてしまうこともある。

本当にごめん。


繰り広げられる朝一緒に過ごす相手にふさわしいのは、君かあいつか論争。

私は君のことを推している。

「あぁ、遅刻する~」と一緒に駆け出し、運命の出会いを果たすことは出来ないけど

そんなこと気にするな。

でも、最近、君の要素を加えたあいつの存在も悪くないと思い始めたんだ。

たまには、あいつと手を取り合っても悪くないのではないかと。


「ありがとう」という言葉だけでは足りないほど

君に伝えたいことがまだ沢山ある。

一途に思うことは出来ないけれど、

君のこと嫌いに離れない。


身勝手なのはわかっている。

でも、許してほしい。

これからもよろしくね。


これは、「日本の食卓」という舞台を支えてきた変幻自在の立役者の君に送る言葉。

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