#4 アリエの日記 11月14日2138年
私は、デイルおじさんを信頼してる。私たちは旅の道中、化け物に幾度となく遭遇した。だけれど、おじさんは私を守ってくれ、化け物を退治してくれる。
そのことで私はお礼を言うけれど、おじさんは決まって「俺は自分の身を守っただけだ」。そう言う。
でも、化け物と私の間に必ず入ってくれる。私を背後に隠してくれるのだ。
素直じゃないおじさん。無口で不愛想だけれど、信用してるんだ。
私はおじさんとずっと一緒に居たいと思ってる。
私が以前そんなことを伝えると、おじさんはこう言った。「お前は親を亡くして、俺を親代わりに見ているだけだ」って。
そうなのかな……。おじさんは単純に私のことを「保護対象」にすぎないと思ってる。
おじさんが奥さんの仇をとる旅の道中に偶然拾っただけなんだって。私のことを犬かなんかだと思ってるのかな?
私がおじさんと一緒に旅するのは、私を保護してくれる場所が見つかるまでの話だって言ってた。
でも、そんなの寂しくない?
乗り掛かった舟、旅は道連れ世は情け。せっかく一緒に旅をしているのに、どこか見つかったらハイそこでサヨナラお元気で、なんて。
おじさんの朴念仁。私は結構楽しいけどな。
それこそ最初はお父さんやお母さんのことを思い出しては泣いてたし、おじさんだって少し怖かった。赤く光る眼。いくつもある拳銃や、傷跡。血のこびりついたトレンチコート。
出会いが違ったら、悪魔かなんかだと思って避けていたと思う。
でも、今となっては優しいおじさん。
私の好物の鶏の缶詰、私に優先的にくれるし。
あ、なんか思い出しちゃった。
缶詰をくれた後、食べてる私を見て、頭を撫でられたことがあった。
……やっぱり、私、犬かなんかだと思われてる?
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