蒼天のイーグル
四季山 紅葉
プロローグ
10年以上前、世界は三大国家を中心とし、大きな戦争を起こした。
その大戦で猛威を振るい、各国が急務で研究・製造した人型兵器――AS<アーマー・ストラトス>
そんな新型兵器により、陸海空の戦争は新たな形となった。
そして、そんな戦乱の中で生まれた英雄――エースパイロットがいた。
<レイン・アライト>と愛機『イーグル・ストラトス』である。
彼は三大国家の一つ『スカイラス連邦』でエース部隊を率い、各国のエースを撃墜し、最後は最終兵器を破壊し戦争を集結させる。
しかし作戦の最中、彼は命を落とした。
だが遺体は見つかっておらず、誰もが生死に疑問を抱いていた。
けれど、それから10年以上経過した世界。
――天歴0119年。
スカイラス連邦は連邦基地<ヘブンクラウド基地>にて、陸海空・万能新型艦<セルバンテス>の観艦式を行い、平和を謳歌していた。
沢山のスカイラス軍人と、和平を結んだ嘗ての敵国や同盟国の軍人・要人を招いての観艦式。
それは平和になったパフォーマンスでしかなかったが、誰もが平和を疑わず、満面の笑みで空へと浮かぶ<セルバンテス>を見て拍手を送っていた。
――だが、その平和は不意に壊された。
『敵襲!!』
基地全体に響く、悲鳴の様な声と警報。
同時に基地に振り注がれるミサイルや砲弾。
そして見た事もなく、どこの所属かも分からないAS部隊の登場により、基地内は地獄へと変わった。
『急げ! 一気に制圧しろ! 要人等のお陰で新型艦は攻撃できん!』
『西側より敵AS部隊の反応! 迎撃に出ます!』
敵勢ASはマシンガンやバズーカを建物や迎撃兵器、起動前のAS倉庫に撃ち込んで周囲を火の海へと変えていく。
また迎撃に出たスカイラス軍・量産型AS――<イーグルヘッドⅡ>を、高い動きで翻弄し、次々に撃墜していった。
そして彼等の銃口は、やがてセルバンテスへと向けられる。
――だが彼等は知らない。その戦艦に翼を捨てたエースがいる事を。
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