特別編 少し前のお話
これは渚がNSDFに出向する前、SATの時のお話
山咲 「ただいま」
美桜 「おかえり、ってかおはよう、ご飯できてるよ」
山咲 「今日は学校は?」
美桜 「今日は土曜日だから休みだけど午後から部活」
山咲 「あっそうなんだ、いただきます」
美桜 「お兄ちゃんは?」
山咲 「非番、なんかあったら呼び出されるかもしれないけど」
美桜 「明日は?」
山咲 「休み」
美桜 「だったら明日買い物に行きたいから付き合って」
山咲 「そーゆーのは彼氏と行けよ」
美桜 「彼氏居ない」
山咲 「え?」
美桜 「仕方ないじゃん、タイプの人いないもん」
山咲 「どんな人がタイプなんだ?」
美桜 「強くて守ってくれて、かっこよくて、面白くて、イケメンで、優しい人」
山咲 「理想高えな」
美桜 「悪かったわねぇ」
山咲 「分かった、連れて行ってやるよ、どこに行くの?」
美桜 「アウトレットが良いな」
山咲 「ん、了」
美桜 「ねぇねぇお兄ちゃん、」
美桜 「そう言うお兄ちゃんは彼女さん居ないの?」
山咲 「居ないな」
美桜 「欲しいくないの?」
山咲 「欲しいけど、タイプが居ない」
美桜 「お兄ちゃんってどんな人がタイプなの?」
山咲 「ショートヘアでクールで、かっこよくて、可愛い人」
美桜 「お兄ちゃんもお兄ちゃんで理想高いね」
山咲 「すまんな」
美桜 「てか、お兄ちゃんって何の課に属してるの」
山咲 「s…機動隊かな?」
美桜 「え?機動隊って盾持ってめっちゃ重い服着てる人だよね」
美桜 「お兄ちゃんにそんな体力あるの?」
山咲 「お前、俺のこと馬鹿にしてるのか?」
美桜 「そんなわけないじゃんw」
山咲 「美桜はまだ剣道続けてるのか?」
美桜 「うん、今主将やってる」
山咲 「へぇー、じゃあ強いのか?」
美桜 「ん〜そこそこ」
美桜 「来月、県大会あるから見にきてよ」
山咲 「何日?」
美桜 「19」
山咲 「じゃあちょうど休みだな」
山咲 「てかお前受験は大丈夫なのか?」
美桜 「私中高一貫」
山咲 「そうなの?」
美桜 「あっ、思い出した」
山咲 「ん?」
美桜 「昨日三者面談のお手紙来てたわ」
山咲 「早よ見せろや」
山咲 「じゃあ3の12時半からで良いな?」
美桜 「うん、ありがと」
山咲 「なになに?進路について?」
山咲 「もう進路について話すのか?」
美桜 「うん、そうらしい」
山咲 「なんかやりたい事あるのか?」
美桜 「特に今のところないかなー」
山咲 「警官になれば?剣道やってるんだし…」
美桜 「嫌だよお兄ちゃんと同じ職業は…」
山咲 「そりゃそうか」
美桜 「なんでお兄ちゃんは警察官になったの?」
山咲 「なかなか言いにくいな、」
美桜 「なんかごめん、別に家族だからって無理して言わなくていいよ」
山咲 「すまんな」
山咲 「ご馳走様、美味しかったよ、いつもありがと」
美桜 「お粗末さま」
美桜 「寝るの?」
山咲 「あぁシャワー入ってからな」
美桜 「じゃあ冷蔵庫にお昼と夜あるから食べね。私今日晩飯は友達とラーメン食べて帰るから19時半には帰って来るね、」
山咲 「ん、じゃあ昼飯と晩飯代、余った金が今月のお小遣いね」
と俺は財布から1万円を出した
美桜 「ありがと」
山咲 「じゃあおやすみ、頑張ってきてね」
美桜 「ん、おやすみ」
………
山咲 「美桜、先に逃げろ、」
美桜 「でもお兄ちゃんは?」
山咲 「お兄ちゃんは瓦礫から出れないから先に行け!」
美桜 「でも…」
山咲 「いいから行け!」
美桜 「わかった」
山咲 「よいしょ、なんとか瓦礫から逃げ出せたな、」
山咲 「俺も逃げなきゃ」
美桜 「助けて…お兄ちゃん…」
山咲 「美桜⁉︎どうした?」
美桜 「窓が開かない」
山咲 「まじで開かねぇじゃん」
美桜 「助けて…お兄ちゃん…息が……」
山咲 「美桜!しっかりしろ!ハンカチで口を押さえるんだ!」
山咲 「くっそ!なんで開かないんだ」
山咲 「やべぇ息が出来ねぇ…」
………
山咲 「っ!………夢か」
山咲 「いつになったらこの夢から解放されるんだろうな」
山咲 「は〜ぁ、いつかは言わないといけないのかなぁ、」
山咲 「そういやなんでSATって身内にも言っちゃダメなんだろ」
山咲 「なんか連絡は来ているかな?」
山咲 「ヤッベ昨日の立て籠もり事案の報告書書き終わってねぇ」
山咲 「急げ!」
そうして俺は昼飯を食べながら作業をした
………
山咲 「よし、送信完了っと」
山咲 「もう8時半か…美桜の奴遅いな、変な事に巻き込まれてるのか?」
トゥルルル
山咲 「電話だ、誰だろ」
山咲 「もしもし」
美桜 「もしもし、お兄ちゃん?」
山咲 「どした?」
美桜 「乗り過ごしちゃったから迎えに来てくれない?」
山咲 「どこまで?」
美桜 「えーっと、われまごこ?」
山咲 「我孫子ね」
山咲 「え?……遠っ!」
美桜 「我孫子って、どこ?」
山咲 「千葉の東京と埼玉よりの真ん中」
美桜 「だっら近いじゃん」
山咲 「今、地図で調べたけど最速52分だぞ」
美桜 「遠っ!」
山咲 「運転するから切るよ」
美桜 「わかった、ごめん!」
山咲 「なんか、しっかりしてるのかおっちょこちょいなのか…」
そうして俺は家の隣のガレージに行った
山咲 「お前に乗るのは久しぶりだな」
山咲 「すまんな、相手してやれなくて」
山咲 「久しぶりに法律の範囲内で暴れようぜ」
山咲 「俺のA90スープラ!」
………
美桜 「寒、冬だな」
プップー
美桜 「お兄ちゃん、遅いよ」
山咲 「ウルセェ、来ただけでありがたく思え」
美桜 「ごめんね、お兄ちゃん」
山咲 「早く乗れ、寒いだろ」
美桜 「何照れてるの?」
山咲 「照れてねぇよ」
美桜 「本当?耳赤いよ」
美桜 「お兄ちゃんの車乗るの久しぶりかも」
山咲 「まぁな、俺もこの車乗るの久しぶりだからな」
そうして俺たちの車は我孫子駅を出発した
山咲 「美桜、お前に言いたい事があるんだけど…」
美桜 「彼女が居ないからって近親相姦はダメだよ」
山咲 「当たり前だよ、ってかどこでそんな言葉覚えたのw」
美桜 「仲のいい男子が教えてくれた」
山咲 「近親相姦はどうでもよくて」
美桜 「何?」
山咲 「お前、覚えてるか?6年前の火事の事」
美桜 「うん覚えてる、この肘の火傷の原因で、お兄ちゃんが警察官になった理由」
山咲 「あれ?俺が警官になった理由知ってるの?」
美桜 「薄々、なんとなくね」
山咲 「なんだ、知ってるのか」
美桜 「いつも夜寝てる時魘されてるもん」
山咲 「その事で謝りたいんだよ」
美桜 「なんで?」
山咲 「俺のせいで、火傷のアザが残っちゃったし、美桜を救えなかったし」
美桜 「いや、生きてるわ、それにこのアザはお兄ちゃんのせいじゃないし、恨んでもないよ」
山咲 「なら良いけど、すまないな」
美桜 「生きてるだけありがたいと思いなよ」
山咲 「ありがとう」
美桜 「眠いから寝て良い?」
山咲 「いいよ、着いたら起こすから、部活お疲れ様」
そうして俺たちは家に帰った
To be continued
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