第5話 直前インタビュー: 風間 修羅

インタビュアー:「風間選手、本日はお時間いただきありがとうございます。獅子堂 一真選手との一戦を控え、今のお気持ちはいかがですか?」


風間 修羅:「気持ち?そんなもの必要ないだろう。俺はただ、いつも通りリングに上がって、目の前のヤツを叩き潰すだけだ。獅子堂が誰だろうと関係ない。」


インタビュアー:「獅子堂選手はこの試合に向けて、相当な特訓を積んでいるようです。スピードと回避力を武器に、風間選手の攻撃を受け流す戦術を磨いているとか…。」


風間 修羅:「ああ、そうかい。スピードで俺をかわすつもりだって?ガキの浅知恵だな。パワーってのはただの力じゃない。圧倒的な強さの前には、どんなに素早く動いたところで無意味なんだよ。嵐の中で風に逆らっても、結局は吹き飛ばされる。あいつがどう抗おうと、最後には俺の拳が全てをねじ伏せるだけだ。」


インタビュアー:「なるほど…それでも、獅子堂選手は“ヒーロー”として多くのファンから応援されています。彼がこの試合に勝つことで、ファンに勇気を届けたいと語っていました。」


風間 修羅(笑みを浮かべる):「ヒーローだって?滑稽だな。そんな幻想に騙されているのは観客だけじゃない、あいつ自身もだ。自分が誰かのために戦う“正義の味方”だなんて思ってるから、甘いことを考えるんだよ。俺に言わせりゃ、ヒーローなんてのはただの偽善者だ。力もないのに夢を語って、それで観客が喜ぶと思ってるんだろうが、リングはそんな甘い場所じゃない。」


インタビュアー:「それでは、獅子堂選手が目指す“ヒーロー”という概念を、風間選手は完全に否定していると?」


風間 修羅:「ああ、そうさ。強者が全てだ。真の強さを持つ者が、リングでのし上がる。それが俺の信念だし、俺がこの業界で証明してきたことだ。獅子堂はその覚悟もなしに“正義”だの“勇気”だの語っている。そんな甘ったれた奴を、俺が地獄に叩き落としてやるよ。」


インタビュアー:「しかし、獅子堂選手はこの試合で風間選手に屈せず、彼なりの戦い方で対抗する意志を持っています。それに対してはどうお考えですか?」


風間 修羅(冷笑を浮かべて):「対抗?何をどう対抗するっていうんだ。奴がどんなに特訓を積んだところで、俺の拳には到底届かない。俺はこれまで数々のレスラーを相手にしてきたが、俺の前に立ち続けられる奴なんていなかった。あのガキも例外じゃないさ。今日、奴は俺に叩き潰されることで、本当の“強さ”ってやつを思い知らされるだろう。」


インタビュアー:「ファンの間でも、今回の試合は大きな話題となっています。風間選手にとって、ファンの応援はどのような意味を持つのでしょうか?」


風間 修羅:「俺はファンの応援なんてどうでもいい。観客は勝手に好きなヒーローを応援すればいい。俺はリングで相手を叩き潰すことだけが目的だ。観客の声援に頼っているような奴が、俺に勝てるわけがない。俺は俺自身の力で勝ち続けてきた。それが“本物の強さ”ってやつだ。」


インタビュアー:「それでは、最後に試合に向けての意気込みを一言お願いします。」


風間 修羅(鋭い目でカメラを睨みつけて):「獅子堂、覚悟しとけ。お前がどんなに正義を語ろうが、俺には関係ない。俺は嵐のようにお前を圧倒して、二度と立ち上がれないようにしてやる。これが、俺の信じる“強さ”だ。今日の試合で、お前も観客も、全員それを目に焼き付けることになるだろう。」


風間 修羅はリングに向かう姿勢を崩さず、確信に満ちた表情でインタビューを終えた。その鋭い言葉と冷酷な視線は、まさに彼の「荒ぶる嵐」としてのキャラクターを象徴していた。果たして、獅子堂 一真はこの圧倒的な強者にどう立ち向かうのか――。

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