第十章
1 サンクチュアリ
中部国際空港から羽田空港を経由して、釧路空港へ向かう。羽田についたのは夜の十時で、始発までターミナルに直結した仮眠利用が可能のホテルで休んだ。茶色のアコーディオンカーテンで仕切られただけの個室は、ホテルというよりキャビンそのものだったけれど、着衣を脱いで白いシーツに横たわれば、途端に身体は重さを取り戻した。目を瞑っているうちに人心地ついてくる。
紙コップでコーヒーを淹れた。クリアな水面はさながら夜の湖面。照明の明かりが満月のように浮かぶ。いつもは入れないポーションミルクを垂らすと、その面影は宮の渡しでいつか眺めた桜超しの朧月になった。緩やかに白い文様が沁みいるに任せつつ、メールに添付されていた写真の場所を調べる。時間は十分すぎるほどあった。
メールアドレスは「lg.jp」ドメインで、これは自治体のアドレス。調べると、足寄より少し東にある鶴居村という場所のようだった。写真の中に『阿寒国立公園オンネトー』とかかれた木看板が映り込んでいるものを見つける。セジが話していた沼だ。その水面は、糸魚川翡翠のような特殊なグラデーションと色味を持っている。
手前はタールのような粘りを感じる黒。奥へ向かうにつれて虹のようにくっきりと色が分かれていく様子は作り物のように見えるがこれが自然なのだろう。黒からウルトラマリン、コバルトブルー、そしてなぜか白に近い境界線を挟んで翡翠の緑へとつながる。背景には連なる山。白の境界は天の川のような奥行きのある影を照らし、その奥へは決してたどり着くなと、そこがあたかも神聖不可侵の領域であることを示しているように感じられてならない。水面にゴミもヘドロも浮かばなくなった現在の堀川でも美しいと感じることはない。それは身近にあるからという理由の他に、やはり自然の脅威を感じないからだ。そこにある水は、紛れもなく美しかった。
眠りにつく前に釧路に到着する時刻と便をメールで送る。『おいでよ』という彼の言葉だけが私の脆弱な果断を支えていた。
羽田から釧路までは二時間足らず。たんちょう釧路空港が近づくにつれ感じた地上の景色は、緑が濃い、ということだった。呑み込まれそうに濃い色の森林や山肌が地表を覆っている。飛行機が着陸態勢に入ると耳鳴りがしたがやがて収まった。生息する丹頂鶴の目視は叶わなかったが、神社の鳥居を潜った気分になった。自然と一体化した彼らから、受け入れの儀式を受ける。神域の入口を潜った感覚は確かにあったが、到着ロビーに足を踏み入れた瞬間、滝の裏側へ入り込んだような、心身が反転してしまうような心地がした。
空港につき、スマホの機内モードを解除する。着信履歴はなく、一瞬張り詰めた気持ちはすぐに沈着を取り戻した。ターミナル内を歩けば、少し冷やりとした気温と空気の乾きを覚えるけれど、初めての北の大地を踏んだという実感もそれほど感じられなかった。
エントランスの脇に丹頂鶴のモニュメントが建つ。
「特別天然記念物であるタンチョウは、一度は絶滅したと思われていた幻の瑞鳥で、古くから湿原の神(サロルンカムイ)と呼ばれてきました。またタンチョウは生涯をかけて互いを守り慈しむ、夫婦円満のシンボルとしても尊ばれています。その愛情深さは、怪我を負って飛べなくなった雄が給餌場の餌を遠く離れた家族の元へ歩いて運び続けたという逸話があるほど。タンチョウは春から夏にかけて湿原で産卵や子育てを行い、秋から冬に人里へ姿を現します。」
JALのシンボルマークである「鶴丸」も丹頂鶴がモチーフ。白黒赤の三色を纏ったあでやかな肢体で、番の鶴が羽を広げて向かい合う。求愛の高鳴きは遥か空の高みへ届くだろう。頭部の頂に丹がある、丹は辰砂だ。赤い鉱物。私には血の色に見えて仕方なかったけれど、龍の血という別名もあると機内のチラシに書かれていた。
市街地までは二〇キロ程。今日は釧路に宿を取り、明日のことはそこで考えようと、バス乗り場へ向かうとメールが入った。
『鶴居村ってとこに今おれいんだけど、村役場までこれる?』
久しぶりに見る彼の言葉が、堅固に保とうとしている私の気持ちを易々と揺れ動かす。返事を打とうとする指が震えた。
『わかるよ、行くね』
潰れそうな胸を押さえてタクシー乗り場に向かうと、「乗りますかあ?」と小型タクシーの運転手さんが声をかけてきた。
「あ、あの鶴居村という所まで……、村役場の場所わかりますか」
はいはい大丈夫ですよ、と応えて後部ドアが開く。身を屈めて導かれるように乗り込むと、運転手はさらに嬉しそうに話しかけた。
「たんちょうですか?」
「え?」
「いや、鶴居にこの時期来られる人っていったら、カメラマンさんとかそういう人ばっかりだから。違うんですか。なら移住の方? あんまりおらんけど。東京から? 標茶の方はねえ、SL湿原号の終着駅だから電車好きな人が冬はよく来るんですよっ。このまま釧路湿原までゆうっくり向かったりね。あ、私、金田です」
遠慮会釈もない様子の饒舌さだったが、不快な感じは受けなかった。バックミラー越しに目を合わせるはにかんだ赤ら顔がうぶな人柄を伝えてくる。道民は元より大らかで懐が深いのかもしれない。
「いえ、東海からです。……人に会いに……」
「そうっ! 友達に会いに行く旅っていいねえっ」
ほぼ手ぶらの女性客を不審に思われたのかと初めは臆したけれど違うようだ。相手を受け入れようとする心根が自然と伝わる。
金田と名乗った運転手さんは終始機嫌良く、私に話を振った。
「この辺りはいい所ですよ。今頃はたんちょうさんの番(つがい)が湿原の奥に潜んで卵を交互に温めている頃でさっ。もう少ししたらまたたくさん見られるようになるから。そしたらまたおいでえ」
羽田でも殆ど眠っていない。昨夜からの移動で体は疲れているはずなのにまったく眠くなかった。もうすぐ、会えるかもしれないというのに、心の準備をする時間もない。だけど寧ろありがたかった。
自然景観は壮大だった。海外のロードムービーでしか見たことのないようなまっすぐな路。辺りは何もなく、遥かに大地が広がる。しばらく行くと酪農地の牛舎がぽつぽつと見え始め、四十分ほどで鶴居村についた。村に到着し、中心部に近づくとヨーロッパ風の外観が特徴的な建物がいくつも目に付いた。村役場に至っては美術館かと思うモニュメントが入口に置かれ、内部も新しく機能面では都心部と何ら変わらないように思えた。想像を超えた施設の大きさに、役場まで行けばすぐに会えると思っていた私は拍子抜けして、次に焦った。どうすればいいのか途端に覚束なくなる。
タクシーを降りて一度建物内に入ったが、眩暈がして一旦外へ出て辺りを見渡していると、「どうもこんにちは!」と後ろから声をかけられた。
「僕、産業振興課の和田です。加藤さんですよね? 遠かったでしょう! メール送ったのは僕の端末からなんですけど、パソコンはどうも苦手で、入力が。来られると聞いてたので待ってました」
下枠のない金属フレームの都会的なメガネをかけた四十代くらいの男性職員で、白いワイシャツの上から濃紺の作業服を着ていた。広いおでこと、くたっとした笑顔が懐にすっと入り込む。北海道の人は皆こんな感じなのだろうかと思いながら、返事をする。
「あっあの、はい、加藤です。ご親切にありがとうございます。お返事確認せずに一方的に来てしまって申し訳ありません」
「いえいえ、一方的なのはこちらですよね! ほんとにもうスミマセン~。なんだかウィルスソフトがやたらに重くて、おまえがウィルスかっていうくらい、邪魔なんですわ」
「あ、あの……」
状況を質したいのに、どう口火を切ってよいかわからずぐずぐずしていると、和田さんは目を細めて、ついて来てくださいと建物内へ誘った。人の流れを無視して階段を上り、二階奥、『産業振興課』のボードが掛かった島へ進むと、職員に声をかけた。
こんにちはあ、と皆、笑顔をくれる。
「理央はどこ行きましたあ? 小学校かな」
「給餌場の柵があちこちおっとるていうで、ならおめが直さんば言うたら、朝からあんばようやっとったが、一頻(ひとしき)りすんだら森林組合の車つかまえてまた茂足寄行ったわ」
「じいさまの畑か。したらいっとぎま頼みます。送ってくるで」
「なだづ行くだらこれ持ってけ。うちのお母が作った握りまんま」
「甘納豆握りか? あいつなまらそれ好きだからなあ。喜びます」
「なんもなんも。気いつけて」
私がセジに会いに来たのは理解してくれているはずだけれど、話が勝手に進んで躊躇っていると、和田さんは優しく振り返った。
「ああ、すみません。ちょうど用事もあるので、送りますよ」
和田さんは、映画音声を切り替えたかのように丹精な標準語の音調に戻すと、壁に掛けてあるキャップを手にとり深く被った。
村役場を出て軽トラに乗り込む。建物が並ぶエリアを抜け、砂利道を踏んで林道を過ぎる。窓から映る景色は途端に広大な自然へと変化し、見える景色は緑一色で、山々が連なっている。
ひどくジグサグした国道二七四号は、灰色になった古いアスファルトがひび割れ車通りも疎ら。片側一車線の道は、両端に雑草や樹々が茂り、柵もなく、いつ野生動物が飛び出して来るか不安になる道のりだった。街灯もなく、夜は深淵となるだろう。
さっき〝足寄〟と言っていた気がするから、セジの所に向かっているはずだとは思うものの、なんとなく確認できないままトラックに揺られた。開けた窓からは緑の濃い匂いがする。
「すごいでしょう」
私が外の景色に気を取られていると、和田さんがそう話を振った。
「はい……自然があまりに大きくて、なんだか、自分がどんどん縮んで吸い込まれていくような気持になります……」
「わかります。圧巻ですよね。僕も魅了されて移住した口で。人間なんて豆粒くらいの存在だと毎日思い知らされますよ。もう二十年になるけど今でも驚くことばかりです」
「あの……、彼はどうして鶴居村に? お爺さんの家が足寄にあってそこで暮らしていたとは聞いていましたけど……」
「理央君ねえ、六歳までこっちにいたんですよ。上足寄の簡易郵便局の息子さんと同齢でね、昔はよくふき畑で遊んだそうですよ。その彼が今、うちの村に移住してて。今は民宿と自然ガイドをやってるんですが、本業の合間にサンクチュアリの管理人をやってもらってるんですよ。それが先月末に椎間板ヘルニアを患いまして。なんでも手術が要るということで、今釧路の病院で入院してるんですわ。それで理央君が雑用を買って出てくれましてね」
「あの、サンクチュアリって?」
「ああ、すみません、鳥類保護区域のことです。ここではたんちょうさんの給餌場のことをそう呼んでます。鶴居はとても小さな共同体です。人間よりも、湿地やたんちょうさんの方が大きな顔してますから、僕らは湿原を間借りさせてもらってるような気分で」
「村に給餌場があるんですか」
「そう。ご存じかもしれませんが、丹頂鶴は絶滅危惧種で。なんとか少しずつ増えてきてくれましたが、冬場は餌が獲れなくなるので、冬期十一月から三月くらいまでは村民総出で小学校の体育館で朝から晩までコーンの餌造りですよ。もうそれが恒例のことで」
運転しながら、胸ポケットからスマホを取り出し写真を見せる。莫大な量の茶色いコーンを子供たちがシートの上に広げている。鶴の映っている高原の景色は、管理区域に見えないほど広い。
「給餌場ってもっとこじんまりした場所をイメージしてました。牧場以上に広いんですね」
「釧路湿原ですからねえ。村の殆どが湿原です。今は給餌場は閉めてますが、かなり広いので定期的に見回りはします。ケガした個体が残ってることもあるので」
大きな交差点を右折し、まりも国道と書かれた道を北上する。土を積んだトラックと乗用車が一台通り過ぎた。セジは独りでは来ていないはずだ。両親はどうしてるのか、祖父母の家はどうなっているのか、訊ねようとすると和田さんの携帯が鳴った。運転しながら電話に出る。手早く要件をすますと、また明るく話し始めた。
「鶴居村はいい所ですよ。あなたもいかがですか。住む場所には困りませんよ。移住予定者用の仮住まいが沢山空いてるので、理央君も今そこにいるんです。エアコン完備で布団も置いてあるし」
「仮住まい……?」親と一緒にいないのだろうか、という私の疑問を察知したのか、和田さんがセジの祖父宅の話をしてくれる。
「お爺さんが亡くなったので相続があったようですが、実は遺言状がありましてね。受取人は理央君一人だったんですよ」
「えっ? それって……孫に全財産を残したということですか?」
「言葉通りです。未成年だから、生みのご両親が一緒に来られましたけどね。まあ詳しくは彼から聞いてください。お爺さんの家は相当古かったもので、親御さんが平地にして売却するというのを理央君が反対して、つてをたどって僕のところに相談に来たんですよ」
「それってもしかして保護司さん……とかですか?」
本人には会ったことはないけれど、野木店長の顔が浮かんだ。
「ああそうです。まあ家屋もですが、お爺さんたちが大切に管理していたふき畑がね、もう随分放置されてしまって。野生化してきているのでなんとかしたいようです。といってもあの華奢な体でしょ。なんぼのことができるもんかとみんな言ってはいますが、頑固なもので。枯れたり折れたりしたふきを必死に刈って回ってます」
道なりに西へ曲がると右手に阿寒湖が見える。湖岸一帯はホテルや民宿が並び温泉街になっていた。終わりにガソリンスタンドがひとつあり、そこを超えるとまた広大な樹林が国道沿いに広がった。
「彼らしいです……」
「なにしろうちのサンクチュアリの五倍はある畑ですから、最初はみんな笑ってましたが、本人は至って本気で」
進むにつれ、どんどん樹々の背丈が高くなり、色濃くなっていった。両端に迫る樹林に呑み込まれそうで背筋が伸びる。数歩踏み込めば、姿が見えなくなりそうなほど深い林だ。
西へ向かい、大きな十字路で南下する。しばらく行くと、放し飼いの平たい牛舎がぽつぽつと見え始め、道幅も景観も少し見通しが良くなった。民家は殆どなかったが、ペンションのようなレストランがいくつかあり、駐車場には数台車も停まっていたので人がまったく来ない地域というわけではなさそうだ。
西日が眩しく感じられる。目を細めていると電波塔らしき塔が一基見え始め、なんとなくそれを見つめながら車に揺られていると、公衆トイレつきのPAがある茂足寄除雪センターの前を過ぎた。
その先を左折し、「緑資源幹線林道」と標された幅員の狭い道へ入る。標識ポールは生い茂った樹々の枝葉に隠れ、まったく見えないほどだった。茂足寄川を渡るが、白い高欄が設けてあるだけで夜道でなくともうっかり足を滑らせて落ちてしまいそうだ。
両端から迫る植物の気配に緊張を覚えながら螺湾川沿いをガタガタと進んだ。舗装はされていて路面も荒れてはないものの蛇行している。鋭角のカーブもあり、所々大きく揺れた。
窓枠上のグリップを掴んで窓の開閉部に顔を近づける。日も落ちてきたし、本当にこの先に進んで大丈夫なのか急に不安になった。スマホを確認する傍ら、さりげに地図アプリを開いたが、運転席の和田さんは動じる様子はなかった。慣れた道のりなのだろう。
辺り一帯が、ラワンぶきの生息域だといくつかの看板が知らせていた。ふきをスーパーでしか見たことのない私にとっては、大きく葉を広げる姿を見るだけでも珍しい。その昔、蓮の葉で埋め尽くされた不忍池を見たときの感慨に似ていたが、道端に蔓延る植物を目の当たりにするとその生命力に驚かされる。人の手が加わろうが加わらなかろうが、そんなことはつゆほどの影響も受けない圧倒的な力。それはアスファルトを突き破る雑草の持つ力にも似ていた。
「昔、庭で咲いてたユキノシタみたい。雪の下じゃないけど、でも北海道なら、背の高いふきも雪の下になるほど積もるんでしょうか……」
野性味溢れる巨大な葉をじっと眺めていると、大きさの感覚が狂ってくる。
「小人になった気分です……」
樹々と野生のふきばかりで、電線も街灯も一切ない。途中トンネルを潜ったがオレンジの照明も一基もなかった。ごまかしきれない車酔いのせいで、口から零れた言葉は支離滅裂としていたけれど、和田さんは優しく拾ってくれた。
「ごめんなさい、酔っちゃいました? この辺り、道があんまりよくないから。ちょべっと止めましょか」
「いえ……あと、どれくらいですか?」
弱々しい声で伝えると、「あと十分ほどです。無理そうだったらいってください」と申し訳なさそうにさらにスピードを落とした。
「ラワンぶきでっかいですよね。あれかじると指が痺れるんですよ」
「え、痺れるんですか?」
「うんそう。ひい爺さんの家がこっちにありまして。子供の頃遊びに来ると、こっそりかじって遊んでました。毒があるからって怒られましたけどね」思い出すのか、楽しそうにハンドルに置いた手の先をにっぱにっぱと握ったり開いたりする。
「〝胎毒下し〟いうて赤子に飲ませたりする薬もあって」
「……タイドク?」
「はい。胎毒ってね、胎児が生まれるときに赤ん坊の消化管にへばり付いてしまった腸の垢のような物のことをそういうらしいんですが。それがあると癲癇とか皮膚の病が残るって昔のひとは丸薬を飲ませたそうですよ。下剤替わりってことですかね。振興課で自然ガイドやらされてると知識ばっかり増えますわ」
和田さんの話に耳を澄ませて、たまに現れる遠くの山の稜線をぼんやりと眺めた。窓を少し大きく開くと、勢いよく顔に当たる湿った風は一段温度を落とし、ひんやりと心地好く感じられた。
夕暮れを背にしているので東に向いていることはわかっても、ぐるぐると曲がるたびに方角を見失う。GPSを使えば充電はすぐに切れてしまうし、さらに奥へ行けば電波も立たないかもしれない。
和田さんがもし悪人なら私はもう本土へは帰れない。冥土への片道切符だったと戯言を一人で思い描くうちに、トラックが右に折れて砂利を踏んだ。二本の轍跡の真ん中に草が生えている脇道だった。
タイヤが跳ねた砂利がカチカチと車体を叩く。それに合わせるように和田さんは胸ポケットのスマホをぽんぽんと押さえると、申し訳なさそうに言った。
「すみません、僕、上足寄の郵便局の方に呼ばれてしまって。帰りは連絡してもらえれば、また迎えにくるか、誰か寄越しますので。じゃあ、ごゆっくり」
スマホの電波を確認すると何とか無事に二本立っていた。和田さんは、役所の人に貰ったおにぎりを私に託すと、獣道を器用にUターンして来た道を戻っていった。
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