山奥

第22話

「夏休みの間、俺の祖父の家に来ないか?」



そう言って私をこの場所へといざなったのは、婚約者の蝶間林蘇芳ちょうまばやしすおうだった。



「ここ最近、また体調悪いんだろ?緑の多いところでゆっくりすれば良い」



そんなスオウの優しい言葉のおかげで、今私はここにいる。



確かに最近あまり体調が良くなかったし、私の身体は普通の人が耐えられる程度に汚染された空気にも悲鳴をあげてしまう。



だからスオウの申し出はありがたかったし、断る理由なんて何もなかった。

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