明日も世界が平和でありますように

@watti922

転校

「今までありがとう。」

この言葉を最後に僕の大好きな人は大好きだったこの学校を旅立つこととなった。


僕の好きな人は小林紫亜。幼稚園からの幼馴染で親同士も仲が良く、中学2年生まで同じ学校だった。

紫亜は優しくて可愛くて成績優秀でスポーツ神経もいい、ヒロイン的存在だった。

学校が大好きでどれぐらい好きか聞くといつも「宇宙くらい!」と答えていた。

中学2年生の夏、紫亜は転校した。クラス中に飛び交う悪口が原因だった。

「死ね」、「殺すぞ」。そんな言葉が発せられたとき紫亜は苦しく、悲しく、心が痛くなるような顔をしていた。

先生が注意しても誰の心にも響いてないようで、暴言に対してなんとも思っていない人が多かった。暴言を吐いた人に対して僕と紫亜が注意しても舌打ちや無視をされるだけだった。

「言葉は人間の武器でもある。刃物にすることもできる。使い方を間違えれば相手はずっと傷つくことになる。

紫亜がよく言っていた言葉。僕はこの言葉を初めて聞いた時から言葉の重大さ、責任を感じた。

僕のクラスは、僕の学年は、学校は、世界は、平和と言えるのだろうか。

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