第22話

しばらくして幼稚園の事務の方から、お呼び出しがあった。

「スミマセン💦💦

少しお話があるので、いつでも良いんですけど、幼稚園の事務所に来てもらえませんか?5分くらいで済みます。」

え。なんやろ?嫌な予感しかしないわ😂

「わかりました✨帰りに、寄ります✨」

私は、その日、早めに仕事を切り上げ、幼稚園に行った。

「お世話になってます。お呼び出しをもらったんですけど、何かありましたか?」

「あ。お待ちしておりました。どうぞ。」

どうぞ?

私は事務所の2階にある応接室に案内された。

何で応接室?

いつも、事務所の受付カウンターで立ち話みたいな対応だけどな…。

ほどなくして、担任と園長がやってきた。

あ。近くで見るの始めてやけど、コレが、あの愛人だらけの園長か。化粧濃い〜😂

いらぬことを考えてたら、園長が話し始めた。

「先日も担任から、お伝えしているようですが、クラスの子のトレーナーがなくなってた件は、実際には、何も、わからなかったんです。園側としては、皆さんに気持ちよく園に通っていただきたいので、これ以上、騒ぎ立てて、園の和を乱すような事が無いように気を付けて頂きたいのですが…。勝手な事を言いますが、静かに園生活をお過ごしくださいます様お願いできますか?」

ん。

で?

わざわざ園長が来て、その話?

確かに、我が子の潔白を証明したくて頑張ってたけど…。疑われてるのは知ってるけど、騒いでるとは、思わない。

むしろ、冷静にしている自分を褒めたいくらいだ。

私は、冷静に答えた。

「副担任の先生にも、娘が聞いたことを伝えて、確認してほしい〜というようなことは言いましたが…。騒いだりは、していません。娘がトレーナーを着て帰ったと疑われているようですが、家に、それらしきトレーナーはありませんでしたし、家の子が着て帰ったという証拠もありません。騒いでるつもりも無いですし、事実を確認したいとは、思っています。

家の子が潔白なのは明らかですし、私は冷静にしている方だと思いますが…。

少し、イラッとして、口調が荒くなった。

だって、私だって、できるだけ穏便に済まそうとしているのに、わざわざ、呼び出しておいて、神経逆撫でするような事言う?なんなの?この幼稚園!

「お母さん、落ち着いてください。そういう事を言ってるんじゃありません。もう、終わったこと。という認識を持ってもらって、卒園まで、みんなで仲良くしましょう。という事が言いたいんですよ。」

…。そんな、わかったような、わからないような話が続き、最後の方は、聞いてなかったような気もする。

園長が、最後に締めた。

「幼稚園というのは、未来ある園児達の健やかな育成を目的とした教育施設です。保護者の方が、いらぬ邪気を持った状態では、園の風紀が乱れます。なので、健やかにお過ごしください。という、こちらからのお願いという事で…。」

んんんー。

何か、わかったような、わからないような…。

でも、やっぱり、わからんけど、「おしまい」という事なのか?

5分と言われた話も、1時間を過ぎていた事もあり…。

「わかりました。私も騒ぎ立てるつもりも、騒ぎ立てたつもりもありませんが、何の証拠もお互いありませんので、これ以上、詮索の仕様が無いと思ってます。

なので、詮索もしないですし、される事も、疑われることも無いと信じてます。」

そう言って、帰った。

この幼稚園に万単位で、お金を納めてる身としては、ちょっと対応に不満がある…。

まあ、でも、コレ以上無理ってことかな?

何より、何の証拠も無い。

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