第4話

産まれ育った都会を離れ私は今

祖母と一緒に果てしなく見晴らしのいい田舎道を歩いている



「ねぇ本当に良かったの?」

隣を歩くしーちゃんに私は感情込めずに淡々と聞く


私が産まれてからずーーッと

しーちゃんは有名な一流の高級クラブで働いていた


在籍中ずっとナンバー1で、雑誌やメディアに取り上げられたりする程知る人ぞ知るちょっとした有名人だった





「さすがに年には敵わないのよ!今年で47歳よ?!立派なご老体だわ!」


そうは言ってもお店では"30歳"で通していたし実際そう見えるその外見

お世辞を言えば20代半ばでも行けそうな?

ま、お世辞を言えばだけどね



「それに私もそろそろこじんまりと静かに落ちつきたいわーー!!都会は色々キッッツイわーー!!」

 色んな意味を込めてのその発言

大きく肩を回しながら首をコキコキと鳴らしてる



     肩凝りアピールか?!





まぁ、でも……



「……だろうね」


何となくは


わかる気がする



ボソッと呟くけどしーちゃんの耳には届いてはいない

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