第12話:お世話になります。

俺んちに神主の卵だって言う菅原 道之助すがわら みちのすけってニイちゃんと桃色の蛇の化身、桃香ももかちゃんって名乗るカップルがやってきたんだ。


「で?君達・・・その白瀧大明神さんの宮司さんに頼まれて、寧々ちゃんを

取り戻しに来た訳? 」

「だとしても寧々ちゃんは返さないからね」

「寧々ちゃんは自分の意思で俺んちに来たんだから・・・」


「私、白瀧さんには帰らないよ・・・」

「せっかくイッ君ラブラブでやってるのに、あんな陰気臭いところに閉じ込め

られるのまっぴら」


寧々ちゃんが俺の後ろからそう言った。


「はあ、まあたしかに神社とかお寺ってちょっと暗いイメージですもんね」

「でも安心してください、たしかに宮司さんには頼まれはしましたが私に、

その気はありませんから・・・」


「なんせ私は修行の身でありながら、こともあろうに桃瀧さんのご神体の桃蛇、

桃香ちゃんと、その親しい関係になってしまいましたから」

「駆け落ちみたいに出てきたので今更桃瀧さんには帰れません」


「神主になるのやめちゃうの?」

「あんた、なかなかのイケメンさんだから神主になったら女性の参拝客

いっぱい来るんじゃないの?」


寧々ちゃんがそう言った。


「いや〜そういう、よこしまな考えで神主にはなれないでしょ?」

「神主になるのは諦めた訳じゃないですけど、神主より桃香ちゃんのほうが

私には大事ですから・・・」


続いて俺が言った。


「あのさ、あんたら親しい関係って・・・綺麗に言っちゃってるけど、要は

恋人同士なんだろ?、または愛人関係?・・・ 」


「愛人関係ってそういう言い方したら、なんか浮気してるみたいじゃないですか」

「私たち、独身同士ですよ・・・だから恋人同士です」


「で、もうやっちゃったのエッチ」


また寧々ちゃんが聞いた。


「はあ、それは・・・まあ・・・」


「そうか・・・やっちゃってるなら、じゃ〜桃瀧さんには帰れないわな」


「あんたらどこかに家でも借りてふたりで細々と暮らすの?」


また寧々ちゃんが言った。


「あ〜桃香ちゃんを連れて急いで桃瀧さんを出てきたので無一文です」

「なんの準備も、なんの計画もたってないので・・・ですね」

「なので、図々しいようですけど、こちらにしばらく居候になろうかと・・・」


「なんだって?、俺んちで暮らす気?」


「はあ・・・お世話になります」


「お願いします」


そう言って桃香ちゃんが頭を下げた。


「あんたらがいたらイッ君とエッチできないじゃん、狭いんだから」


「お姉ちゃん、誰かがいても平気でするでしょエッチ・・・」

「だから、いいじゃない」


「ダメダメ、私とイッ君がエッチしてる時は誰にも邪魔されたくないの?」


「その時は、私たちもエッチするから・・・それでお相子でしょ?」


「ダメダメ・・・あんたらどこかアパートでも借りなさい」


つづく。

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