episode 2.シゲ◯(受)✖️ ヨシ◯コ(攻)

「マスコミは?」

 ネクタイを外しながらヨシ◯コが問う。


「ホテルの前でたむろしてるよ」

 カーテンの隙間から外を覗きながらシゲ◯が応えた。


「何故、いつもの料亭じゃなくて、ホテルの部屋なんですか、だって」


「料亭じゃエッチできないもん、って言ってやったらよかったのに」

 ヨシ◯コはズボンも脱いでパンツと靴下だけの格好で言った。


「言っていいのかい?」

 シゲ◯は靴下を先に脱ぎながら訊いた。


「言ってみたいよ」

 そういいながらヨシ◯コはシゲ◯のズボンのファスナーに手を伸ばす。


「シャワー先に浴びろよ」

 シゲ◯はそう言ってヨシ◯コの額に口づけた。


 シゲ◯の方が背が高いので、向き合うとちょうどシゲ◯の唇がヨシ◯コの額の位置にくる。

「時間がないから一緒に浴びようよ」

「そうだな」


 熱いシャワーを浴びながら、二人は抱き合い唇を重ねる。舌の絡まる水っぽい音はシャワーでかき消される。


「ヨシ‥コ」

 感極まったシゲルがヨシ◯コの名前を呼んだ。


「いま、ヨシコって言っただろ!」

 身体を離してヨシ◯コが問い詰める。


「言ってない、ヨシ◯コと呼んだんだ」

「ヨシコって聞こえたんだ、ごめん」


「妻とは、もうずいぶん‥‥‥」

「言わなくていい、俺だけのものだよな、シゲ◯」

「ああ」

「愛してる、シゲ◯」


「僕もだよ、ヨシ◯コ、ずっと二人きりになれなかったから、寂しかったよ」


「党首なんかにならなければよかった」

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