第5話

「すいまッ… 」


ズゴゴゴゴォォォォー


見事に転んでしまった。視線を感じる。


ここで顔を上げるのは超嫌だ。


恐る恐る、顔を上げてみる。


うわ。肌の色がめちゃくちゃ白い…


太陽の存在なんて知らないんじゃないかとさえ、

疑ってしまう程に肌の白い美少年が

目の前に立っていた。


ミステリアスさを感じる上に

高校生らしからぬ大人っぽい雰囲気を

持ち合わせた彼が、まるでお伽話に出てくる

ヴァパイアの様にも思えた。


ただここはとりあえず。


ジーッ…


私は明らかに「助けて」という

メッセージを込めた視線を送っていたけど…


目の前の美少年は何事もなかったかの様に、

通り過ぎて行ってしまった。

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