第27話
王城に帰るとほっとした。
西に行って都市を奪還する時に2回戦闘を行い、王都に帰って来たと思えばシャトロクリムゾンと戦った。
シャトロ。
苦手意識があった。
戦いたくないと思っていた。
でも、戦ってみて分かった。
思ったよりも僕は成長していたようだ。
まだまだシャトロの技量には及ばない、遠距離攻撃も出来ない。
でも、機体性能はこっちが上だ。
そして技量の差は小さくなってきている。
最初シャトロクリムゾンと戦った時は1機を囲むように攻撃してギリギリだった。
今回は危なかったとはいえ1機だけ時間を稼ぐことが出来た。
そしてレッドモードはこっちと同じで2回使ってこなかった。
この事実も大きい。
今回の戦いでまたウォーリアを手に入れた。
整備工房にウォーリアが運ばれてくる。
更に敵が切り離したムカデの車両も整備工房に搬入されていく。
出来れば操縦席っぽい前車両が欲しかった。
訓練用のエッグも整備工房に運ばれてきた。
メンテが手を振った。
「しばらく訓練は出来ないよ。ウォーリアを訓練で使えるようにするからね」
どんどん訓練がやりやすくなっていく。
「今日はゆっくり休んで」
「うん」
サンとスノーがウォーリアから降りてきた。
サンが僕に近づいてくる。
「凄かったです」
「機体に恵まれただけだから、サンも疲れ様」
「ええ、少し、休みます」
サンが去って行った。
……お風呂に行こう。
お風呂に向かうとスノーがいた。
軽く会釈をして通り過ぎようとする。
「待って」
ガシっと手を掴まれる。
「え?」
「これから、お風呂?」
「そう、ですけど?」
「……」
「一緒に、入る?」
「え? いいの!?」
「うん、行こう」
スノーが恋人のように僕の腕に絡みつく。
バストの谷間が僕を挟み込んだ。
こ、これは、まさかお風呂でスル事が出来る!?
い、いや、待て待て、落ち着け。
スノーはスキンシップが多い。
普通に後ろから抱き着いたりする。
思い上がるな。
勘違いだけはダメだ。
冷静かつ適切な対処が必要、お風呂イベントは重要局面だ。
脱衣所に入るとスノーが離れた。
そしてスノーがスライムスーツを解除する。
「……え?」
ためらいも無く、裸になった。
バストが、立派過ぎる。
「ナリユキ君」
「は、はい!」
「脱がないの?」
「あ、お、お風呂だからね」
「うん」
「脱いで入るよね?」
「うん」
「……」
「……」
スノーがじっとこっちを見ている。
スライムスーツを解除する。
「……」
「……」
スノーがまだじっとこっちを見ている。
「あ、あの、お風呂に入ろう」
「うん」
体を洗うために座り石鹸を泡立てた。
背中に大きな2つのバストを感じた。
スノーが後ろから抱き着いたのだ。
「ふぉ!」
「ナリユキ君、お疲れ様」
「はあ、はあ、ええ、スノーも、お疲れ」
「うん、私が洗ってあげる」
スノーの手が股間に伸びてくる。
思い出せ。
美少女との風呂場は常駐戦陣(意味不明)。
無意識に払おうとする自分の手を止めた。
善意を振り払う行為は失礼に値する。
これがアニメなら主人公が焦って断るだろう。
でも僕はヤル時はヤル男だ!
スノーの両手が僕の股間を洗う。
「あ、くう! ああああああああああああああ!」
◇
「気持ちよかった?」
「……はい」
僕はスノーに僕をまるで赤ちゃんを抱くように後ろから抱きしめて一緒にお風呂に浸かる。
スノーの手は、良かった。
クールに見えて野性的に攻めるスタイル。
魔装ゴーレムでの戦い方と変わらない。
「ナリユキ君、おっぱい、揉みたい?」
「え?」
「おっぱい、揉みたい?」
「それは!」
「私のおっぱいは、嫌?」
「はあ、はあ、嫌じゃっ! 無いです!」
「うん、いいよ」
スノーが両手を後ろに組んだ。
僕は両手を開いてスノーの胸に吸い寄せられるように近づく。
◇
「はあ、はあ、はあ、はあ、まさか、コンボ、とは!」
「はあ、はあ、ナリユキ君、鼻血」
「く、こんな時に!」
僕は鼻を抑えた。
お風呂を上がって鼻血を止めた。
スノーは僕の世話をしてくれて部屋まで送ってくれた。
僕がベッドに寝るとスノーが言った。
「今日は、また鼻血が出ちゃうから、最後まで出来ない」
「え、ちょま!」
スノーが部屋を出ていく。
デキたんだ!
僕はデキた。
デキるんだ!
「はあ、はあ、はあ、はあ」
あれ?
いつもなら、眠れなくなるのにおかしいな。
まぶたが重くなっていく。
ああ、シャトロと戦って、鼻血を出して、僕は本当に疲れていたんだ。
◇
目が覚めて食堂に行くと王とその家臣がピュアを囲んでいた。
王が僕に気づくと家臣も僕を見た。
「ナリユキ殿、ゆっくり休めたかな?」
「はい」
「この国を救っていただき感謝する」
「「ありがとうございます!」」
「は、はははは」
僕は適当に笑って流した。
メイドさんが料理を運んできてくれた。
「ナリユキ様、カッコよかったですよ。時間が空いたら私を抱いてくださいね」
メイドさんが礼をして去って行く。
「……え!? 今なんて!? 今なんて!?」
僕はどうやら知らない間に疲労が蓄積していたみたいだ。
そこは秒で「今すぐに行きましょう!」って言うチャンス!
ピュアがクッキーをかじりながら落ち着きなく飛び回って王様に言う。
「整備が終わるまで待つよりすぐに東にいる帝国四将のマウンテンを叩きに行った方が良いよ」
「……え?」
また!?
また帝国四将!?
シャトロみたいなのとまた戦うの!?
万全の用意をせずに!?
無いわあ。
でも、今は時間がが大事なんだろうな。
でも気分的に無いわあ。
シャトロみたいなのと戦いたくはない。
「おお! ではすぐに準備をするように伝えよう! ナリユキ殿、また頼んだぞ」
「「東の奪還をお願いします!」」
「……あ、は、はい」
く、思わずはいと言ってしまった。
訓練をして死なない様にしよう。
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