【悲報】異世界転生したらロボットだけじゃなく夜のベッドで美少女に乗る事になってしまう～この世界はパラディンへのガードが甘すぎる～

第25話

　横に飛んで魔法弾を避けると次の魔法弾が飛んできた。

　パンチで魔法弾を殴りつつ魔法弾をある程度受けながら前に走った。

『思い切りが良くなったな！』

　シャトロクリムゾンが後ろに下がって魔法弾を乱射する。

　僕が遠距離攻撃を出来ない事を知って対策している動きだ。

　それでもサイドにステップを踏みながら前に出た。

　そしてそのまま下がるかと思ったシャトロクリムゾンがいきなり前に出て斧を振りかぶる。

　斧にパンチをぶつけるとすかさず蹴りが飛んで来てギリギリもう片方の腕で防いだ。

「くう！」

『これすら防ぐか！　だが！』

　ギリギリで防げた。

　そしてすかさず魔法弾を乱射しつつ距離を取られる。

　その魔法弾を腕をガードするように構えて凌いだ。

　シャトロクリムゾンはただただ遠くから魔法弾を撃って来る敵とは違う。

　急に方向転換して接近してきたかと思えば急に距離を取る。

　何をやってくるか予想できない。

　近距離でも遠距離でも強く技量ではまだまだ向こうに及ばない。

『何と言う成長速度だ！　生かしておくのは危険すぎる！』

「魔装ゴーレムの性能はこっちが上だよ！　ナリユキは負けない！」

『ならばこれで！　旋風！』

　シャトロクリムゾンが僕の周りを旋回する。

　そしてその回転スピードは加速していった。

　魔法弾を撃たれてステップと腕で防ぐと　シャトロクリムゾンが近くにいた。

　斧を振りかぶったかと思うと蹴りが近くに迫る。

　横アッパーでギリギリ攻撃を防ぐとまた遠くに距離を取られて魔法弾が飛んでくる。

『旋風すら防ぐか！』

「あっぶな！」

　魔法弾は胴体に当たらなければ致命的にはならない。

　それでもシャトロクリムゾンの魔法弾は重く、連射性能が高く、狙いもうまい。

　プロトナイツのマシン性能が高いおかげで救われている。

　シャトロクリムゾンが接近して来てパンチを放つと距離を取られて魔法弾を連続で浴びた。

　そしてまた接近し蹴りを蹴りで返す。

『ぐううううう！』

「くうううう！」

　お互いに弾かれて距離を取るとまた魔法弾の連射攻撃を受ける。

　完全な遠距離からではなく威力のある中距離から撃って来る魔法弾が厄介だ。

　かと言って前に出ても捕えきれずに翻弄される。

　何とか防御は出来ている。

　それがいつ崩れて一気にやられても不思議じゃない。

　僕はひたすら耐え続けた。

　シャトロクリムゾンの赤い光が消えた。

　そしてブルーモードも終わる。

　画面を見るとプロトナイツの関節部が赤や黄色に光っている。

　遠くから声が聞こえた。

『シャトロ様、もう持ちません！』

『敵はナイツと、更に奪取したウォーリアまで使ってきます！』

『たすけ、ぐああああああ！』

『ち、撤退だ！』

　ウォーリアが去って行き、その後ろをシャトロクリムゾンが続く。

　歓声が聞こえた。

　そんな中僕は急いでハーフエッグに向かい走る。

　シャトロが怖い。

　ここで倒しておきたい！

　もう一回プロトナイツに乗り換えて戦えば行けるかもしれない！

　こんなチャンスはもう無いだろう！

　怖いからこそ前に出る、そう、恐怖事態を無くしてしまえばいい！

「すぐに収納して！　次のプロトナイツで出るから！　整備工房にジャンプして飛び乗る！」

『ナリユキ殿！　無茶はいけません！』

「乗り換えればまたブルーモードを使えるから！　ムカデがうまく移動できていない今のうちにもう一回攻撃しよう！」

『何と！』

『まだ、魔力が持つとは！』

『1度の戦闘で2度も奇策を使うのか！』

『分かりました！　総員ムカデを追え！』

「ジャンプして乗り込むから！　人がいたら退避！　急いで！」

　ジャンプしてハーフエッグの整備工房に着地してプロトナイツから降りる。

　走って次のプロトナイツに乗り込む。

　そして地面に降りて走る。

　白ウォーリアとナイツがムカデに攻撃を仕掛けシャトロクリムゾンが応戦していた。

「ブルーモード！」

　ブルーモードを使い走った。

　急加速してムカデとシャトロクリムゾンに追いつく。

『なんだと！　化け物が！』

　シャトロクリムゾンに急接近してパンチを放つと斧で弾かれる。

　それでもパンチを連打する。

　蹴りをパンチで弾き腕・頭とパンチを当てるとシャトロクリムゾンが後ろに下がった。

　魔法弾を乱射して来るとステップしながらガードした。

　ブルーモードが終わるまで残り30秒！

　ぐるんと走る方向を変えた。

　シャトロを殴って分かった。

　ブルーモードが終わるまでに倒しきれない。

　追いつくためにブルーモードを使ってしまった。

　ムカデを倒そうとしても邪魔されるだろう。

　なら、ウォーリアを叩く。

　ウォーリア3体に迫ると半身になって魔法弾を撃ちながら逃げていく。

『たすけ、助けてくれええええ！』

『化け物が来るううううう！』

『ぎゃああああああ！』

　1体に急接近した。

『やめ、ああああああああ！』

「手加減パンチ！」

　ウォーリアの横腹を殴り地面に転倒すると2体目に迫った。

　シャトロクリムゾンが接近しようとするとナイツと白ウォーリアが魔法弾の弾幕を張り接近を防いだ。

「次！　手加減パンチ！」

『ぎゃあああああああ！』

　2体目のウォーリアが倒れると3体目にも手加減パンチを食らわせて魔力切れを起こさせた。

　ブルーモードが解除されるとシャトロクリムゾンとムカデが撤退していく。

　周りにいた味方が限界を迎え始めた。

『はあ、はあ、もう、動けま、せん』

『く、魔力、よい、です』

『ナリユキ殿、これ以上の深追いは禁物です』

「うん」

　画面を見るとプロトナイツの特に膝関節が黄色く光っていた。

　やっぱり関節が弱いか。

　元々こんなに動き回って殴るように作られていないからなあ。

　たった1回の戦いで、プロトナイツ2体をボロボロにした。

　ブルーモードを使い、更にシャトロの強力な魔法弾を何度も受けた。

　倒れたウォーリアに騎士を乗せて王都に帰還する途中で騎士と錬金術師のお姉さんが何度も僕を褒める。

『その勇気、見習いたいです』

『私ではナリユキ様の足元にも及ばぬと思い知りました』

『ナリユキさん、カッコよかったです』

「ウチのナリユキは凄いんだよ♪」

　ピュアがくるくると飛び回る。

　違うんだ。

　怖かったんだ。

　怖いからこそシャトロクリムゾンを潰したかった。

　勇気じゃない。

　追い詰められての行動だった。

　2回のブルーモードでそれでもシャトロクリムゾンを倒せなかった。

　シャトロ、戦いの技量だけじゃなく立ち回りもうますぎる。

　しかもあの状態で指揮まで取るっておかしいでしょ。

　ムカデへの奇襲すらあんなに早く対処されて潰せなかった。

　乗り換えれば行けるかもと思った。

　でも、ムカデもシャトロクリムゾンも倒せなかった。

　帝国四将、あんなのが4人もいるのか。

　もし潰せるなら確実に潰さないと、怖すぎる。

　王都防壁の門が開くと左右の道に人が並び歓声が響いた。