棒人間旅行記

沼津平成

第1話 あわあわ鉱山

 棒人間ぼうにんげんは、常夏とこなつしま目指めざして、あるはじめました。


 しばらくあるいていると、あわがている鉱山を見つけました。


 棒人間ぼうにんげんは、「うわー、きれいだなー」とそれにみとれていましたが、ふっとわれにかえりました。


「これ、どうやっているの? てきわなじゃ、ないよねえ……」


 かれのいうてきとは、長老ちょうろうです。長老ちょうろうとは犬猿けんえんなかなのです。


 と……


「これ、きみたびひとか?」


 不意ふい野太のぶとこえがしました。


「えっと……」てきか! 棒人間ぼうにんげんはひるみました。


 しかし、こえのするほうをるとてきはいず、すずしいかおの(なぜわかる?)やまおさがいました。


「この盆地ぼんち王様おうさまですか?」


「ああ。この鉱山こうざんのしくみがしりたいか?」


「はい」棒人間ぼうにんげんはうなずきました。


「これはね、とお地下ちかからみずをくみあげ、よくして、ポンプであわにしているのさ」


 あわのいきおいがよわくなってきました。


「おや、もうじゅみょうかな……」


 棒人間ぼうにんげんはかなしくなりました。そして、常夏とこなつ楽園らくえんは、またいつかけばいいや、とおもいました。棒人間ぼうにんげんはいいました。


「ぼく、ここではたらきます!」

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