第26話

「それじゃあ、君を守る為に俺もここに居ることにする」



『え?』



「もし化け物が出たら、俺が倒してあげる」



『……貴方は…エクソシストなの?』



「エクソシスト?まさか、俺みたいな若者がエクソシストになるにはあと20年は必要だよ」



『違うの?』



「違うよ、それとも俺がエクソシストだったら、君に何か不都合でもあるのかい?」



そうオリヴィエが悪戯っぽく笑うと、少女は『そうね…』と呟きながら床に落ちた影を抜き取り、オリヴィエの逞しい体をあっという間に縛り上げてしまった。



「うぅ…!」



『貴方怖いわ…なんだかさっきから私をここから引きずり出そうとしてるみたい…。それに…貴方のその目…、生きてる人間てなんでそう強い光を目に宿しているのかしら。……うっとうしい…うっとうしいわ…私、ここに居られなくなったら困るの。分かるでしょう?私の言うこと聞いてくれるわよね……?』



少女は最後にオリヴィエの顔を覗き込むと、ふっと微笑み、次の瞬間、鋭い牙を剥き出しにして、実に凶悪な表情でオリヴィエの首筋に深く噛み付いた。

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