一章
第2話
麗らかな春の日、オリヴィエはある友人の葬儀に参列していた。
深く深く掘られた墓穴に、友人の遺体とと共に沢山の白い花が敷き詰められた柩がゆっくりと下ろされる。
参列者達の啜り泣く声を聞きながら、オリヴィエは空虚な表情でどんどんと柩に土がかけられていくのを見つめていた。
(エリック…どうして…)
亡くなった友人のエリックは、明るく活発であった。
しかし、ある時を境に次第に誰にも顔を見せることがなくなり、廃人と化してしまったのだ。
最初誰もが彼のその様子に「失恋でもしたのだろう」と思い、心の傷が癒えるまでそっとしておこうということになった。
エリックは元来、子供の頃から恋の多い男で、積極的に女の子に愛を告白しては振られ、その度に引きこもる癖があったからだ。
しかし、彼が引きこもってしまってから約2週間が経った頃、彼の意中の相手を友人仲間の誰も知らないことに気が付いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます