暗い森の中で君とふたり
椿
第1話
冷たい雨の降る森の中、野獣が歩いていた。
黒く長い爪についた血は、激しい雨によって流れ落ちたが、かろうじて身にまとっている洋服の血液は雨水と共に服の繊維に深く吸い込まれていく。
凍りつくような冬の雨。
月明かりも差さない深く暗い森の中で、野獣は視界の端に一筋の白んだ月明かりが差したのを初めて見た。
野獣がそこに目をやると、木の根元にボロ着を着た小柄な娘が倒れていた。
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